ハーレー用のキャブを語れ!--SU--番外編
前回はSUの現行型をボロクソに書いたけど、それはあくまで2型との比較から。
SUキャブはそんなことでは良さを失わないいいキャブですよ!いやほんとに!
んじゃお前がハーレー乗るときにSUつけるのかよといわれたら…付けない。
管理人の中での気化器の序列は
インジェクション>>>>純正バタフライ>SU=CV>38径MIKUNI>>41FCR>>>その他いろいろあるけど省く
となっているため、おそらくなかなか装着のチャンスは回ってこない。でも好きなキャブである。
あと性能ってか諸々含めてあまりにも低評価って気がするのでこのブログ上では持ちあげておこうかなと。
※2020.3.23追記※
現在SUキャブは販売製造元のRivera Primo,Incの不振により製造していないようです。
で、もとリベラの社長かな?がアメリカンプライムって会社を立ち上げ、RIVERAで売っていたものをじわじわ再販開始している模様。当然SUも再販を目論んでいるとは思うんだけど、いつになるかはまだまだわからない状況です。
ってことで、新品は現在入手困難なので、これからつけたい!って人は中古、今ついている人はぶっ壊れないように大事に乗りましょう。
※追記終わり!※
SUキャブは管理人が知っている限り最古の負圧式可変ベンチュリーである。
キャブには大まかに固定ベンチュリーと可変ベンチュリー、そして負圧式可変ベンチュリーの3種類が存在(今度書いてみます)が、その中でも機構的に一番
複雑な負圧式可変ベンチュリーに所属するSUが低性能なわけがない。
しかも構造がわからん。なんでこれで走れるんだってわからないレベルで構造が極めて単純なのに、である。
ざっくりとSUの特徴的構造を説明してみる。
ティクラポンプ?ティクラーポンプ?
日本語で何て書くのが正確かわからないけど、このティクラポンプはSUにしか見られない独特の機能で、加速ポンプを持たないSUがキックでエンジンをかける
時に使う必需品だ。
このティクラポンプ、どんな構造かっていうとフロート室(ガソリンが溜まっている部屋の事)に空気を送り込んでその空気が押し出すようにガソリンを 強制的にベンチュリーに送りだす構造をしている。
なんでこんな事するかっていうと冷えているエンジンはガソリンを燃やすのが下手で、下手なら強制的にガソリンいっぱい送って下手な分を補ってしまえ! っていう考えで、実に単純なんだけど侮ることなかれ、インジェクションでもコールドスタート時は同様の考えでガソリンを大量に噴射していたりする。
加速ポンプが付いている他のキャブでもアクセルガンガンあおってベンチュリーの中をガソリンでべちゃべちゃにしちゃうけど、SUはこれをティクラ使って行う。
ただこのティクラ、真鍮でできた筒の中をゴムのカップを上下させることで空気を送るんだけど、このゴムにガソリンが付いたりして組んだ時のシリコングリスが
流れたりすると一気にその動きが渋くなる。
あと時間がたっても渋くなる。なんで定期的なメンテナンスが必要ってば必要。
他にティクラを動作させるために、ティクラの反対側についている小さな棒みたいなのを押し上げておく必要がある。
これは中のピストンを少し押し上げて、ガソリンが出る場所を確保するため。これをやらないといまいちガソリンが出ないので注意。
そんなんどのキャブもついてるだろってなるが、このチョークもそれなりに独特の動きをするので書いておく。
SUキャブのチョークはチョークバルブ(入口を閉じて空気の流れを遮断し、フロートから強制的にガソリンを上げる機構)と違い、ちゃんと専用のチョーク回路を持っている。
左下の何だこれ?見たいなレーバーを回すとチョーク通路が解放、それと同時にアクセルをちょっと開ける。
セルでの始動性がいまいちっていうならこの状態でスロットルに全く触らないでセルを回してほしい。すぱっとエンジンかかるはずだよ。
ただし、このチョーク機構も多少問題があって、ストッパーになる金具が弱くてよく曲がる。しかもチョークが利く利かないの位置関係が非常にシビアで このストッパーが曲がっていたりすると常にチョークが利いている状態になったりする。SUキャブの不調原因の一つでもある諸刃の剣だ。
例のよってこれが正式名称かどうかわからないけど、このノズルとニードルのみでSUキャブは全体の燃調を計量する。素晴らしい!
いろいろなサイズが売っているけど、ノーマルエンジンなら付属品のノズルで十分賄えるはずである。
調整は簡単、本体わきにあるマイナスねじを締めたり開けたりするとノズルの高さが変わって燃調を調整できる。しかもこの調整部分にはバイメタル (熱によって変形する)が採用され温度変化に対して常に調整した適切な位置を保持する優れものなのだ!ほんとかよ…
ともかく基本的にはこれ一つで全体の燃調を変化させられるのは素晴らしく、面倒なセッティング作業はそれほどいらない。
これだけでダメな場合はニードルの変更から行いセッティングを出す場合もあるが、ノーマルエンジンではまず必要ないだろう。
見た目でも機能でもSUキャブの最大の特徴であり利点であり、そして弱点でもあるこのドームとピストン、吸入負圧をピストン上部に導くことによりピストンを上下させ
適切なベンチュリー径を作る。
その上でピストンにくっついているニードルがメインノズルの中を上下することにより、ノズルの穴径を可変させこれまた適量のガソリンを噴出させるシステム。
ただ前回にも書いたけど、ピストンを保持する真ん中のガイド部分がいまいちなつくりのためガタが出やすい。
他にも重たいアルミピストンが上下するもんだから音も結構でるし、まさにSUキャブの性能的特徴を担う部分でありながら同時に弱点も作りだしている場所だ。
基本的なメンテナンスはとにかくこのピストンががじらないようにすること。
このため定期的に分解して洗浄、アルミドームとピストンが接する場所にモリブデングリスなどを塗るなどの作業が必要となってくる。
アイドリング時のカタカタ音だけど、これは現行型では抑えることが難しい。
というより、管理人が知らない。知っている人がいたら教えてくださいー。
いいところ書きたかったけど、メンテとかめんどくさい話ばっかりになってしまったような気がする。
だけどこの旧体全としたSU、たった一つの系統ですべての燃調がきまり、始動性も良好、走行性能も高い。
独特の見た目と現行のキャブにはない儀式とメンテが必要だけど、儀式についてはなれれば鼻くそほじる程度の作業量だしメンテも5千キロに一回程度で何とかなる。
しかも燃費もいいんだぜ?以外とスポーティーに走るしね。
見た目は好きだけど、イメージが悪くて付けるのを渋っていたらぜひ一度付けてほしい。きっとメンテも含めて満足してくれる…ことを願う。
と、終わると見せかけておいて、約2年ぶりにSUばらして写真取ったので、それをもとに似たような内容だけどブログ書きました。
ここからどーぞ!
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