エンジンオイルについて考えてみる
なんでこの時期にオーバーヒートの話なんだ!って感じだけど、雪国ではこの時期になると冬眠と同時に重整備の季節がやってくる。
もうそろそろ雪ふって乗れなくなるから、その間にオイル漏れ直してー
とか
暑い時期にちょっと煙はいていたんだよねー。ちょっとエンジン開けてみて!どーせ春までのれないしー
などなど、様々な理由でバイク屋にバイクをひりこんでくるお客様が多くなり、必然か当然かエンジンを開ける機会が多くなる。
この時に軽い気持ちでエンジンを開けると大体酷いことになっていることが多く、開ける前にしつこく念押し(金銭的にも時間的にも覚悟を促す)をしたりもする。
今年もそんな季節が来たかーと季節の移ろいを感じたりするんだけど、大体の古いエンジンは必ずオーバーヒートによると思われるダメージが見られるので、そもそもオーバーヒートとはなにか?どうすれば防げるかをもう一度考えてみたい。
エンジンを動力として動いている機械で一番怖いのがオーバーヒートかもしれない。
以前のブログにちょっと書いたノッキングやデトネーションなどの異常燃焼は点火のタイミングやセッティングで抑えることができるが、このオーバーヒートだけは起こりずらくすることは可能だが、外気温に思いっきり依存して起こるためどんなに注意していても外気温如何ではどうしても起こってしまう。
そして空冷エンジンの場合は以外とあっさりと起こり、エンジンにしれっときっちりダメージをあたえる恐ろしい現象なので、みんなが注意していることだろう。
んじゃオーバーヒートってなんだって言うとエンジンがきっちり動くための温度を上回った状態である。
この温度が上回った状態が続くと、エンジン内ではまずいろんなところが熱により予定より膨張し、各部のクリアランスが小さくなる。
更に、オイルが従来の性能を発揮できなくなり、本来であれば分子レベルで金属同士の間に入り金属と金属が擦れないように頑張っているけど、これができなくなる。
すさまじいスピード(例えば10センチのストロークのエンジンが2000rpmで回っている場合、ピストンは1秒間に33往復強、距離にして3メートル以上動いている。しかも上死点、下死点で一度スピードは0になり、そこからアッという間に元のスピードに戻るため とんでもない負荷がかかる。)で動いている金属同士が直接擦れたどうなるかはなんとなく想像がつくだろう。
そして各部がひずみまくる。もう本当にひずんでというかもはや捻じれといっていいレベルでおかしくなりいろんなものが入らなくなったり、合わせ面が歪みまくって水だのオイルだの盛大に漏れまくる。
こうなるともうどうにも直せなったり、それほど修理価値のないバイクや車だと最悪廃車なんてこともある。
これがオーバーヒートの怖い所で、一度でも起こってしまえば避けられないダメージをエンジンに残してしまう事になる。
暑い時に乗らない!
って言ってしまえばアレなんだけど、マジでこれが真理だと思う。でもこれじゃみもふたもないんで、管理人が個人的に推薦する方法(おそらく大半のバイク、車屋さんが同意てくれる…はず)を書いていってみたい。
尚、基本的に空冷エンジンの話になる。完全な水冷エンジンであればこんな心配は基本的に無用。でも小さいラジエターついてるバイクは要注意です。
これはもうしょうがないと思っていただきたい。
その昔GPZ1100に乗っていたが、でかいオイルクーラー付けても元の性能を維持できる温度は精々28度程度だった。
夏に市街地を抜けるまでは常にひやひや、環境なんぞなんのそのだったが、そのときばかりはアイドリングストップを実行してた。
そんな感じなんで、900CC以上の空冷エンジンの場合は28度前後で走行しないことを心がける。
ハーレーの場合、ナックル、パンヘッドは25度前後、ショベルは28度、EVOですら31度前後が快適値って所か。ツインカム以降のエンジンは33度ぐらいまで行けそうだけど、これ以上はきつい。
これ以上の気温になる場合は街乗りは厳禁、一定速度でなんとなく乗れる環境であればまぁ大丈夫ってことを意識してほしい。高速道路の場合はもう2度ほど上がっても大丈夫…な気がするけど、法定速度超えてくるような速度域だとファイナルノーマルならやっぱりきつい。
無茶言うなと思うけど、走らなければ冷えない空冷エンジンで長時間の停止はマジで死活問題である。
なんで渋滞しそうな観光地には例え春だろうが秋だろうが行かないほうがいい。管理人は秋の紅葉を見に行った時に渋滞にはまりエンジン壊したことある…
もし避けられない渋滞にはまりそうなら引き返すのも勇気である。
しかもオイルクーラーにファンを付ける!
…まぁありだけど、オイルクーラーも過信は禁物である。なにせこれも走らなければ冷えないので、ほんとに補助的な意味しかない。
でもオイルの動作温度を保つためには有効な手段なので、ない人は付けることを検討してほしい。
チンチンに暖まったエンジンなら5分以上のアイドリングは厳禁!とにかく走って冷やす!下り坂ではクラッチ切って冷やす!できなきゃ冷えるまで停まる!
以上、オーバーヒートしない、させない、感じないための条件でした。
厳しいけど、これぐらいやらんとエンジンにダメージが入る事があるので皆さま注意されたし!
以上、だんだん洗油が冷たく、パーツクリーナーで手があれる季節なのに オーバーヒートの話でした。おわり!
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