ハーレーのエボの違いを探れ!--1--

まさにEvolution(進化)の名にふさわしいエンジン

管理人の記憶力テストを兼ねたハーレーの間違い探しシリーズ第三段はエボリューションエンジン(次からエボにする)となる。
前回と前々回のパンとショベルについてはこちらから

多分長文になるともうので、珍しく目次とか作っておく。

そもそもエボってどんなの?

エボは1984年にショベルの後継エンジンとして登場し1999年までの15年間ハーレーのエンジンの主役を飾った。
今までの鉄シリンダーとアルミヘッドの構成をバッサリ捨て、シリンダーもアルミ製へと変更。貫通スタッドを採用し当時すでに一般化していたヘッドとシリンダーを同じナットで共通に締める方法として、一気に冷却性能と耐久性を飛躍させた。

また、プッシュロット調整を完全に廃し(細かいことは後述)、ECMを本格的に採用するなどショベルから比べると一気に現代的な構成を手に入れる。
また、スポーツスターも遅れる事2年の1986年にほぼ同様の腰上を持ったエボモデルへと変更される。

また、車種というか1エンジン1フレームの形態をこのエボエンジンの頃から廃し、沢山のフレームを扱う普通のバイクメーカー(?)へと変貌していく過程で使われたエンジンであった。
こんな感じでエボは日本で大型バイクの売上1位の座を奪取し、また現代まで続く車両ラインナップや基本構造を作り上げた、まさにハーレーっていうバイクメーカーを完成に導く非常に重要な時期のエンジンと言える。

余談ではあるが、このエボって通称はハーレーが公式につけたものではない。
実はハーレーはショベル以前のモデルには正式な呼称をつけたことはない。パンだのナックル、ショベルなどはユーザーがそのロッカーカバー形状をみてつけたあだ名だったりするんだが、このエボからはエンジンに正式な名前をつけてきた。

てことで、一応公式にはエボはブロックヘッドなる名前を授かっている。だがしかし、呼びづらかったのかかっこ悪かったのか、はたまたユーザー側の
あああーーーんんんん????名前なんて俺らが好きに呼ぶんだよ!!!
的な天の邪鬼精神かはわからないが、せっかくつけた名前を誰に呼ばれるわけでもなくどっから出てきたのか忘れたけど、Evolutionの呼称から略してEVO(エボ)と呼ばれるようになった。
実はエボの呼称にはこんなハーレー社が可愛そうな経緯がある。

んで、時はぐぐっと過ぎ、ハーレーがつけた名称が正式に使われるようになったのは実に21世紀に入ってからのツインカムからとなるのであった。

てことで、エボの違いとかそのへんを記憶の限り書いていこう。
てか例によって完全に記憶だけで書いていくので、間違いはご容赦ください♥

エボの車種 フレームの違い

先にも書いたが、ハーレーはエボになり後期になればなるほど車種が増えてくる。
これがまた分かりづらい。FXSTSとかFLHTCU-Iとかもはや車種名というより暗号にしか見えない。

だがしかし、実際には15年間でフレームの種類は大雑把に4種類しかなく、スポーツスターについてはわずか1種類しか無い。
これらの同じフレームに足回りや装備を変えて違う車種へと仕立てていたため、実際のパーツの互換性はかなり高かった。まずはこの辺から説明していってみよう。

FXE

一番最初にエボが乗った記念すべきモデル。
通称は4sp EVOとか4速エボ。

なんのことは無い、ショベルまでのフレームにエボを載せたいかにもハーレーがやりそうな初期モデルである。1984年から1986年までの2年間登場した。
わずか2年ということで現存台数は少なく、以前は全く見向きもされない存在だったが、アーリーショベルと同様にここ最近はいい値段がつく模様。

SOFTAIL ソフテイル

まさにエボと言ったらこのフレームであり、実際に一番売れたモデルといえる。

SOFTAILとはSOFT TAILの略であり、ハーレー社の造語でリジットフレーム似た見た目を持ちながらミッション下部にショックを入れて、心地よく乗れるようにしたものだった。1986年に初登場、その後エボの最終年式の1999年までその役目を務める。
対比としてリジットフレームやなんかをHARD TAILなんて言い出したのも多分この頃…だったんじゃないかと勝手に思っている。

このソフテイル、見た目が似ているが実は2つある。その辺をちょと説明してみるよ。

FXST

まずはFXST。ソフテイルシリーズの車種名の特徴としてまずはFXかFLがつきその後に「ST」と来る。んで、その後にSだのなんだのがついて車種名となる。

このFXSTの見た目の特徴はあくまでもエボでの話だが、フロントタイヤが16"じゃないってのでおおよそ分かる。
また、フロアボードのステーが無いってのもさっさと見分けるための手助けになるだろう。

他にも後述するFLSTとはネック角が違う等の変更はあるが、2つなれべて見てみないとわからないと思うんで今回は説明しない。

FLST

そしてもう一つはFLST。
特徴はFXで書いたのと逆で、フロントが16”で、フロアボードのステーがあることがその特徴となる。

ソフテイルについて以上である。

え???それだけ???

と、現行ハーレーに詳しい方は思うだろう。でもこれだけである。FXSTはFXSTSでもFXSTCとかでも基本のフレームは一緒。外装ってか装備が違うだけだ。これはFLSTSとかFLSTFにも言える。
ともかくFX(L)STの場合は前半4文字があってりゃ同じフレームなんで、おおよその部品は互換性があるってことを覚えておこう。

FXR

づづいては現代において再び人気沸騰のFXR。

FXR自体はショベルのエンジンが現役だった1982年に登場した。

その大本になってるのは1979年に登場したFLTモデルであるが、振動を廃するためにエンジンとミッションをラバーマウント化し、且ついち早く5SPミッションを採用したスポーツに対する意欲的モデルと言えるだろう。

エボでは1984年から採用され、後継モデルと言えるダイナ(後述)にその主流をゆずる1992年までビックツインスポーツを先導した。
ちなみに製造年数は結構長くどーも1999年までアメリカでは販売していた模様。

こいつも様々な車種があるが、フレームは確か1種類しか無い。最初っから最後まで1種類を貫いた漢のバイクである。

これもまた不遇のバイクで、当時はソフテイルをベールにしたカスタムの全盛期。FXRがもつ四角いメインフレームはカスタムを(てか小さいタンク乗っけるのに)するには非常に邪魔な存在で、相当な不人気モデルであった。

現在は皆様が知っての通り、超絶人気バイクとなっているが、当時の扱いたるや悲惨なものだった。

FXD ダイナ

FXRに続くビックツインスポーツモデルであり、ラバーマウントモデルとしてはハーレーとして3代目となる通称ダイナ。

FXRのフレームに古くささを感じたか、はたまたその売れ行きに不満があったかわからないけど、3代目ラバーマウントモデルとして登場したダイナは、ハーレー復権を売上って形で支えたFXSローライダーの名を冠するほどにハーレーの期待を背負って出てきたことは間違い無いだろう。

確か1992年に登場したダイナはフレーム自体にそれほど変化を与えられず1998年までその役目をつとめた。

このエボダイナ、正直当時も現代も人気って点ではFXRに完敗している。

理由は色々あると思うけど、まず乗った感じがFXRのような軽さがない。てか重い。これは車重も含めて何をするにも重さを感じるんである。
多分車体剛性なんかはFXRより当然上だと思うんだけど、その良さが非力なエボじゃいきてこないんだよね。コーナーでもなんかどっこいしょ!って感じで、いまいち面白くないんである。

乗ると結構いい…んだけどなんか物足り…ない。みたいな微妙ななんとも言えないバイクであると言っておこっと。

FLT ツーリングモデル

こいつの初登場はFXRのところでも書いたけど、1979年。ハーレーがコンピューターを使って設計した一番最初のフーレムでありまたラバーマウントを始祖に持つ。中期からはそのモデルナンバーをFLTとFLHTCの2つ持つことになる。

その特徴はでかく、重く、ハーレーらしい、当時の通称でヤッコカウルを持ついかにも誰もがハーレーと見抜くスタイルにあるだろう。

その実、他のエボモデルと違い頻繁なフレームの全面改良を幾度か行われた。

実はこのフレーム改良がどのタイミングで何回行われたかは管理人はしっかり把握していない。

初期型は1984年から1988年まで。でかく細長いバッテリーを搭載するために右側のバックをえぐって頑張ってバッテリーを載せてる感じ。

次は1989年から95年ぐらいまで。バッテリーがシートしたぐらいに移って結構現代的なったような。
んで、1996年からまた変わって、かなりツインカムのソレに近づいた…ような感じ。全く不正確なんで当てにしないでほしい。でもこんな感じだったと思う。

このツーリングモデルも当時はそれほど人気がなかった。ソフテイルのいかにも的なルックスが人気絶頂だったのもあるけど、何よりも問題なのは後期になればなるほど車重とエンジンパワーが全く合っていない問題が大きいだろう。

乗るとまー遅いんである。いや、遅いってか非力を感じる。普通に加速しようとするとものすげーアクセル開けて乗る羽目になる。
そりゃそうだろう。装備が増えて車重が重くなる一方(あと価格もね)なのにエンジンはずーっとそのまんまなんで、非力になるのは当然である。

これのを改良仕様とおもったわけじゃないだろうが、ハーレー初のインジェクションを1996年に採用されたりと実験場のような役目もしてた。

この圧倒的な非力は結局ツインカムにエンジンが交代するまで解消されておらず、後期になっても同じである。
このためソフテイルのように後期になれば相当な高値がつくようなこともなく、お値段的に比較的買いやすいのかも知れない。

が、全くおすすめしない。明確な目的をもって選択肢ないのであれば、似たような見た目のツインカム以降のツーリングモデルを買うべきであろう。

フーレムの違いはここまで!

てことで、写真もなくやたら文章が長くなったが、エボの車種とフレーム違いはここまで。

次のエンジン編はここからどーぞ!

なんでこんなに文章が長いんだよ!

と思う方もいるかも知れないが、実はちょっとでも文章が短くなったらクレームつけてやる!という脅しを受けたため、ソレに反する意味であえて長くし、また写真を廃してみた。これでいいか?


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