ハーレーのインジェクション④

ハーレーのインジェクションコントローラー

①はここ、②はここ ③はこれ長い…

インジェクションの話もこれで4回目。分割しすぎてすいません。

インジェクションコントローラーのセッティングってなに?

大きく分けて2つ、点火のタイミングと燃料の量を回転数とスロットル開度によってきめ細かく決められる。
他にもアフターファイヤーの問題だったり、IAC(アイドル・エア・コントロール)だったりコールド時の暖機運転の長さであったりとまぁ~それはもういろいろでき るんだけど、本筋としてはやっぱり上記の2つがメインである。

きめ細かくってどれぐらい細かくできるんだって話だけど、比較対象としてまずはキャブとポイントなどのイメージから。
まずはキャブ

縦は各ジェット類が受け持つ仕事量のピークで、横軸がスロットル開度だと思って見てください…

こんな感じで、スロージェットはこのアクセル開度、メインジェットはこの開度からと決まっていて、また各々が仕事をする場所がかぶっていたりと 微妙なところで自由が利かなかったりする。
ニードルがついているキャブ(CVやFCR)なんかだと更にいじる場所が増えてそれはもう大騒ぎになってくる。

この図だと一応3つの山を書いたけど、これがS&SのEキャブとかだとこの山が2つになる。細かい燃調は不可能なんだよね。

続いてポイントとかダイナSなどのガバナーを使用している点火イメージ。

これはもう単純明快で、回転数のみに応じて遅いか早いかの2点のみでしかない。
しかもこの切り替えは割と低い回転で切り替わり、走っている時は実質1点のみで走っている。

ノーマルのエンジンならこれでもまぁいいんだけど、排気量いじったりカムいじったりするとこれがなかなか曲者で、実に乗りずらくまた本来のエンジンパワー を引きだせなかったりする。

ならEVOのノーマルでVOESがついているやつはどんななんだってーと、こんな感じ。

点火の切り替わりタイミングは図のように垂直にそそり立つわけじゃないけどまぁこんな感じ。線が2本あるけど、これはVOESが効いた時のやつ。
基本的に点火MAPが二つあり、VOESのバキュームスイッチの状態によってどっちかの点火MAPを選ぶか判断する。
このVOES、アイドリングの落ち着きの無さから嫌われ者だったけど、実は非常に優秀でインマニについているバキュームスイッチのみでエンジンの負荷状態を判断 して、点火MAPを切り替える非常に優れものだった。また、インマニ内の圧力に依存していることからもわかるようにスロットル開度に反応するので、 単純なスロットルポジションセンサーのような感じで働いている。

ついでなんで、EVOとかにつけるDYNA2000iとかS&Sとかのイメージも。

割とこんな感じで細かいセッティングができるようになる。
VOESの状態で点火MAPを選ぶのは一緒だけど、基本MAPとVOESMAP両方ともそこそこ自由に線を引ける。
ただし、これをやるにはPCと接続して専用のソフトでいじらなきゃならない。
この点火システムはVOESも含めてEVO以前のエンジンにも組めるので、エンジンいじり倒したら組んでみることをおすすめする。

最後にインジェクションの図。点火、燃調共にイメージとしては以下のようになる。

2次グラフではもはや表現は不可能、もう自由過ぎて線の意味なし状態になる。

キャブの燃調はスロットル開度、ポイント点火は回転数のみ、VOESもスイッチON/OFFと回転数のみでの判断だったが、インジェクションの燃調と点火は 細かいスロットルの位置と細かい回転数で強制的に数値を決められるため、キャブやポイントなどでは絶対に不可能だった数値を指定可能となる。

他にもでもちょっと書いたMAPセンサーと理論排気量 (正直この言葉があっているかどうかわからない。でもここではこの理論排気量って言葉を使っていきます)の調整も可能である。じゃあそもそもこの理論排気量って 何なんだってことで、すいません、次回に説明を回します。

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