ハーレー用のキャブを語れ!--SU編--その3
前回からの続き
何かと扱いが不遇となってしまったSUキャブ。今回はどんな種類があって、機能的にどうだかを書いてみるよ。
ちなみに管理人はSUキャブの大きさは好きじゃないけど、その見た目と性能は大いに気に行っている。
たぶん今でもいろんな種類が売っていると思うけど、性能的には1種類しかない。
基本は見た目だけである。
その名の通り、本体部分すべてにメッキがかかっている。
ただし、マジで容赦なくメッキがされているため、場合によってはキャブ内部にまでメッキがかかっていることがあり、そのままつけると著しく調子が
悪いことがある。確か販売しているリベラも実際に使用するのはやめてねと言っていたような。
なんで、あくまでも飾り用として考えておくのが正しい。
もし使って見ようってんならそれ相応の覚悟を持って使用していただきたい。運がよければちゃんと使える事もあるよ。
これを知らないでSUは調子悪い、ダメキャブと思われた原因の1つと予想される。
これも名前の通り半分だけメッキがかかっている。SUを象徴する上のドームのみにメッキ。
こいつから実用できることになっている。
これも名前の通り。ボディすべてにポリッシュ。
そして最後に型から取りだしたまんま、表面的処理をしていないキャスト。当然お値段も一番安い。
他にインマニも同様の種類(メッキ、ポリッシュ、キャスト)があり、その組み合わせを考えると結構な商品種類となっているけど、基本的なキャブは一緒です。
ただ、インマニの中にアップスイープなるものがあって、これは純正のタンクに当たるのを避けるためにSUキャブそのものをちょっと下につけるためのインマニに
なっている。
これだけ知っていればSU選ぶのに悩むことはないよ。
続いてSUの種類。管理人が知っているので3種類ある。同じEliminatorⅡの名前で売っているけど、年代によってちょっとずつ変わってる。正直 新しくなればなるほど悪くなる印象…。
見た目の特徴と機能をざっくりと。
本当は違うんだろうけど、便宜上1型とします。
管理人が知っている形で一番古く、現存するのはほとんど無いんじゃないかと。
特徴は上のドームの黒いふた(当然ここもメッキのふたが売ってたりする)が付く部分がひょろっと長く、その立ち上がり部分にリブがついている。
この上のふたを取ると真鍮でできた部品がついており、ここにエンジンオイルを塗ることで中の負圧ピストンの急激な動きを抑えることができた。
もっと簡単に説明すると、今のSUみたいにアイドリングなどの低回転でカタカタと落ち着きなくピストンが動くのを抑制できたんだよね。
なんで、現行SUのようにアイドリングでうるさい何てことがなかった。
続いて2型。機能的には1型とほぼ一緒だけど、ドーム上のふたが付く部分が短くなってタンクに激しくあたらなくなった模様。
おそらく15年程前までは新品で買えたと思う。今でも中古やバイクに付いているなどでたまに見かける。
現行でも販売されている現行型。
見た目としては上のドーム部分でっぱりが太くなり、黒いふたもでかくなった。
そして、オイルダンパーを廃止、その代りピストンの上下の芯部分にチャチなベアリングを搭載、曰くがじる事を軽減させたとの事。
この悪名高い3型こそSUの評価を決定的に下げた犯人であり、昨今の不遇を招いた張本人でもある。
こいつの何が悪かったって、それはもう1と2で採用されていたオイルダンパーを廃止したことである。
このダンパー廃止によって負圧ピストンはたががアイドリングごとき回転数でも落ち着きなく上下し、ガタガタと大きな音を出すようになってしまった。
この音自体は異常でもなんでもなく、上下することによってピストンがキャブボディーに当たる音なんで、機能上なんの問題もないのだが、乗っている 人間としてはガタガタとうるさいので不快に感じる人も多く、3型が出た当時はこれを抑えるために真鍮でできた重りが社外品で出たり、プアーなベアリングの 変わりに突っ込む真鍮のガイドが発売された事などを見ると、2型に慣れ親しんだ人にとってはこの3型は明らかに改悪といえるものだった。
そしてこれら社外部品(特に重りのほう)はSU本来の性能を著しくスポイルすることがあったため、3型の出来も含め昨今のSU不遇の環境を形成するのに一役を担っていったのであった。
このようにしてSUは現在のダメキャブとしての地位を確立していったんだけど、ちょっとまて。
SUはそんなに駄目か?答えは否である。
次回はSUの優れた特性とその素晴らしさを伝えてみたい。
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