減速比を追え!--1--
晴れてバルブスプリングが完成して、販売を開始すると管理人のところにはどーしてもバルブスプリング関係の投稿とか記事とかが目につくようになる。
で、その記事とかを眺めているとんんんん????と思う記事とかがたまーに出てくる。
このバルブとかスプリングにまとわりついてくる数値はバルブの突き出し量とバルブスプリングのセット長とかがある。これって確かに密接な関係があってスプリングのセット長自体はバルブの突き出し量に完全に依存している。
けど、これらは完全に切って離して考えるべき数値であり、全く別の意味がある。
今回は自分が忘れないように、あた改めて考えるために、いつもながら適当な図と共にまとめていってみよう。
まずは以下の図を見てもらいたい。これはロッカーアームとバルブステムの一番上の状態をしめしたものである。
バルブが閉まっている時の状態。赤い楕円がロッカーアーム、黒い四角がバルブステムだと思って
…いや、管理人さぁ、せっかく3DCADとか使えるんだからそっち使ってもうちょっとマシな図をを書けよ…
と、思われる方もいるであろう。
いや、試しに書いてみたんだけどなんか結構わかりずらいんだよね。やっぱり図面だと結構わかりずらかったので、この適当で大げさな図を使って説明させてもらおう。
これは突き出し量が正常な時のロッカーアームとバルブステムで、バルブが閉じている時の状態。ホントはロッカーアームの先端はこんなにまるくないけど、まぁわかりやすさ重視で。
この時のロッカーアームとバルブはプッシュロット調整により当たるか当たらないかの微妙なクリアランスを保っている。で、カムが回ってバルブが開くと・・・
こんな風にロッカーアームの尖っているところが当たってバルブステムを押してバルブが開く仕組みだ。
この時大事になってくるのが、ロッカーアームの尖ったところがステムの真ん中に当たってバルブをしっかり押すことであり、これが違うふうに当たるとステムとかロッカーアームが異常摩耗したり、狙ったストロークを確保できなくなったりする。コレが結構大事。
じゃあバルブシートが長年の使用により減ってきて突き出し量がオーバーした!とか言うと一体どんな感じになるのか?
かなり極端だが、以下の様になる。まずはバルブが閉じている時。
こんな風にあらぬところが当たってくる。
ここからカムの作用でバルブが開いても
かなり極端に書いているが、こんな事が起こる。
当たる部分もおかしくなり、ヘタすれば開く量も中途半端になりかねない。
これがハーレーおけるバルブ突き出し量の持つ意味となる。
んじゃ、他のバイクとか車だとどうなの?
と、思う方もいるであろう。
全部が全部ってわけじゃないと思うけど、例えばOHCのロッカーアームを持つエンジンなんかはこの辺がよく考えられていて、ロッカーアームの当たり面の形状なんかももうちょい自由のある設計になっていたりする。
また、ハーレーの場合、クリアランス調整は可能となっているが、コレはプッシュロットの位置調整でしか無く、バルブとの当たりを直接調整できないようになっているのでこんな弊害がおきるんであろう。
で、この突き出し量、燃焼室容積に直結するので圧縮の確保という点でも非常に重要になってくる。
余裕のある設計のエンジンの場合、この突き出し量を任意に変更して燃焼室容積をあわせるなんてことも可能だったりするが、ハーレーの場合コレもかなわない。
こんな設計なので、マニュアルに定められている突き出し量の許容範囲は結構狭くて確か2mm程度突き出しが増えたらアウトになる。
こうなるとバルブシートを打ち替えて増やすしか無く、コレも古いハーレーのオーバーホールの際に必須に作業になりやすく、費用が多くなっていく一因だ。
余談だがにその昔(ひょっとしたら今のあるかもだけど)はエボに限り減ったバルブシートを交換しなくてもいいようにショートステムのバルブとかが売っていた。
また、ロッカーアームの当たる部分をローラーに変えてもっとスムーズになるようにしているロッカーアームも存在している。
これ、すっげー理にかなっている部品で、大昔は結構好んで使っていた。
別に問題はなかったんだけど、一つ大きな特徴があって、それは音である。
なんかエンブレのときに
ヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョ・・・!
みたいな音がするんだよね。
ちょっとうるさくしているトラックみたないな。組み方だったのかもしれないけどね。なにせ大昔の記憶なので、間違っているかもしれん。
と突き出しについてはこんな感じである。ちょっとまとめてみよう。
となる。
ならバルブスプリングのセット長にはどーすんだ?ということで、次はこのスプリングの話をするよ。
ショベル以前のハーレーの場合、ロッカーアームの当たりとかの関係でバルブのセット長は完全に受け身?状態で選択の余地がないってのがなんとなくわかってもらったところで、んじゃスプリングはどーすんだ?ってお話。
よくバルブスプリングの話になると、セット長をあわせるとかの話を耳にすることがあるだろう。
ただコレはちょっと間違いで正直セット長はどうでもいいんである。大切なのはテンションの方で、このテンションってか強さ、さらにさらに厳密に言えばバルブの各状態、つまり閉じている時、開いている時、動作している時の各長さの時にスプリングのテンションが4本とも同じになっているのが望ましい。
まぁ4本ある(正確にはインナースプリングを入れて8本だが)スプリングの強さがまちまちなのは良くないのはなんとなくわかると思う。できれば一緒の強さの方が良さげでしょ?
一本だけ強いとか支えるカムシャフトとかも大変そうじゃん?つまりそんな理由である。性能というよか耐久性とか動作関係の安定に関係していくるみたいな認識いいと思う。
んじゃ、組む時にどうやってコレを揃えていくか?
普通に考えると4本とも同じスプリングなら同じ長さで同じ強さにあるべき何だけど、これがまーそうはいかない。バネによってはとんでもなくまちまちになってくるんである。
今現在売っているスプリングはココが極めていい加減で、例えばバルブが閉まっている時を基準にシムとかを入れてテンションを合わせる。
そうすると、バルブが開いている時にどうなるかって言うとそりゃもうすっちゃかめっちゃになったりするんである。つまり調整不能。中古なんて言ったらもう絶望ってかすげーパズル状態になったりする。
ショベル以前は軒並みこんなもんで、EVO以降は多分もっとましになっている。設計に余裕があるからねー
んじゃ、他の車とかバイクのスプリングは?となると、国産の場合は超優秀でマジで長さだけで結構な精度でテンション合わせることができる。さすが日本製。
ただ、このおかげでショベル以前も長さ合わせとけばOKでしょーとなっているフシがあるけど、残念ながらそうはいかないのであった。
(ちなみにプロアンサーで作ったバネは多分長さ合わせればだいたいテンションあうよ。ただ完全にばらつきがないってわけじゃないので、合わせるなら長さを測ってスプリングテスターに乗っけてって作業は必要だけどね)
おまけ。
ハイカム組む時にボルトオンカムとか要ヘッドワークとか書いてあるのを見ることがあるが、このヘッドワークって何しているんだって言うと、単純に言うとバルブスプリングを抑えている一番上の皿を変更してスプリングのセット長を伸ばす事を指している事が多い。
セット長を伸ばしてスプリングどうしが当たらないようにするための措置となる。
問題はこのオフセット量なんだけど、ショベルはまぁ余裕があるからいいとして問題はパン。調子こいて超絶オフセット入れると一発でパンカバーに当たってひでー目に合うよ。
限界としてメーカー曰く0.06”(1.5mm)でやめとけということなので、用法用量は正しく守ってハイカム入れましょう!
以上、ココまで!
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