ラチェットトップ、ロータリートップの違い
バイク屋やっててよく聞かれるのにエンジンのオーバーホールっていつするのってのがある。
巷では5万キロ走ったら腰上だけでもとか、この年式のエボならこの頃に開ける(エボにはこんな年式による欠点はない。ショベルにも無い。パンヘッドは…まぁある。ナックル?年式っていうより構造が…TC88のスプリングのカムチェーンテンショナーで初めて年式による欠点的な物がハーレーで出て来たような気がする)とかまことしやかな噂が流れているが、調子がいいバイクを管理人は絶対にバラさない。
それが元で逆に調子崩したり、オイル漏れを誘発したりするなんて事も何度も経験したからね。
また、予防的な分解ってのも無い。
バラしても壊れるのは基本的には予防できない。予防があるとすればそれは壊れているところを修理して、更に別なところが壊れるのを防ぐ的な作業になるけど、もうすでに壊れているところを直すんだからこれを予防と言っていいのかどうか甚だ疑問だ。
じゃあいつオーバーホールするかっての答えは
バイクがぶっ壊れたら!…
なんだけど、これじゃ身も蓋もないんで、そもそもなんでオーバーホールが必要か、またその作業は一体何をやっているのかってのをほんとにざっくりとお話してみよう。
オーバーホールとは英語のOverhaulのことで、日本語に直すとなると分解清掃とか分解検査、修理とかになるものだが、今日日こんな言い方よりオーバーホールの方がなんとなくしっくり来る言い方だろう。
とかくミッションとかエンジンにのみ使われるイメージだが、ブレーキやサス、キャブからホイールまで幅広く使う用語となっている。
バイクや車の場合だと、オーバーホールって言った場合分解清掃とか検査というより分解して壊れてるところを直すって意味合いで使うことが多いと思う。
それぞれ全部説明していると大変なんで、主にエンジンとミッションでなにをやっているか書いていってみよう。
さて!オーバーホールだ!ってなった時に当然バイクからエンジン、ミッションを下ろす。
そこからばらばらにし始めるんだけど、まーとにかく汚い!汚いんである。
何年も走り続けたハーレーは各部からこそっと漏れてたオイルや飛び散ったチェーングリスなんかがタイヤが巻き上げたた砂だのホコリだのをガッチリ抱き込み、まるで3日噛んだガム(かんだこと無いけど)が如くガッチガチに固まり、且つ固着しているのである。
特にプライマリーカバーたるや洗ってみたら実はメッキでしたなんてこともあるぐらい汚かったりする。
これから測定したり、ブラストかけたりはたまた塗装しなきゃならんて作業を開始するのにこの頑固な汚れは本当に邪魔になる。作業しない時に置くのにも汚いと何かと面倒だからね。
で、これも基本的には油汚れなんで洗油台なる灯油とか軽油が循環するようになっている台の上で油をジャージャー流しながら洗う。もうひたすら洗う。
いろんなブラシを、時には亀の子束子(かめのこたわし)を使って頑固な汚れが付着した換気扇よろしくガンガン洗う。その姿は飲食の代償に皿洗いをさせられた中学生時代の管理人となんら変わらない。
ここで大まかな汚れを除去したいし、後々のチェックにも関わるんでネジもブラシ使ってガシガシ洗う。その細かい作業姿を見ていたお客さんがへー、管理人ってA型だったんだーなどと戯言を履かれるほど洗う。
O型の管理人としてはこの上ない屈辱にさらされるまで洗う。
で、この時期はものすごい冷たいんだよね…。油だから温めるわけにもいかず冷たいまんまでやるしね。
あと、油を油で洗う作業なんで、当然手の脂も流されるわけですよ。寒さの上にかっさかさになるこの作業は本当に厳しい物があるが、これやらないと次の作業もできないから頑張る。
兎にも角にも作業を開始する前にはなんであれ洗ってきれいにするんである。そして次の不毛な作業に移る。
大体洗うのと同時に行うことが多いんだけど、今度は長い間挟まれ続け固くなった元紙のガスケットを剥がす。頑張って剥がす。
運良くペリって剥げて完全になくなってしまえばいいんだけど、中々そううまく行かなく合わせ面と完全に一体化を謀る頑固者が現れる。この一体化能力は凄まじく、本当に元紙なのかよ!と疑うレベルで硬い。
一応ガスケットを剥がす専用の薬品もあるんだけど、こいつは同時に塗装も犯す(それだけ強い薬品)のでおいそれとつかうわけにはいかない。
なんでスクレイパーやカミソリ、はたまたオイルストーンで地味に削るなどとにかく母材を傷めないように注意しながらこの頑固なやつを剥ぎ取っていく。
で、このガスケットの中で更にたちが悪いのが狭い隙間に入り込んだ元液体ガスケット類の皆様である。
これが本当に取れない。マジで取れない。でも取らないと次に組んだ時にオイル漏れの原因になったりするし、何より汚い…。コイツラにはブラストも効きづらい(柔らかいんで、少々の砂ぶつけただけじゃ弾いてんだろうな)んで、残りは根性での除去になる。
ココまでしてやっと全てがきれいになったら作業準備完了であると同時になんかすごい安心するのは管理人だけだろうか?
とりあえず今回はココまで!次回に続きます。
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