過去にあった名(迷)不良品達
今回は完全なネタ回である。
でも、ハーレー屋さんならあるあるネタになるであろう。
バイクや車を修理、カスタムするなら切っても切れないのが部品交換。
ハーレーの場合古い車両は純正を使うことが少なく、その殆どを社外品に頼ることになる。また純正品といえど古い車両にあるとそのクオリティはガクガクと落ちて正直社外品と変わらないものが多くなってくる。
恐らくこの辺の話はバイク、車業界によってはタブーなのかもしれない。またそんなに不良品あるのかよ!と思う方もいるだろう。だがしかし昨今の部品は安かろうのほうがいい風潮は世界的なものであり、不良品発生率はますます高まっていると思われる。
中には大昔に作られた純正品のほうがまだクオリティが高いなんてこともそれこそ沢山ある。当時は沢山お金使っていたからね。
今回は洒落にならんようなやつから、思わず失笑してしまう名品まで今まで管理人が戦った様々な不良品達を記憶を掘り起こして書いていこうと思う。全てが実話であり、世の修理屋はこんなものとも戦っていると笑って見てほしい。
不良品・・・失笑編
それほど実害がなく、なんでこんなことが可能なんだよ(笑)と思わず微笑んでしまった不良品達編。いや、部品きてさっさと修理終わって乗りたいお客様からみれば十分実害があるか。
- エンドレスに届くインマニ
厳密にいうと不良品ではなく、パッケージングミスだと思われる。
管理人が88年のEVOのインマニを交換しようと思った時である。88年とかの初期EVOインマニはエンジン側にゴムが付き、そこにアルミのインマニをぶっさし、更にキャブ側にもゴムがついてそこにキャブが作って仕様だった。
ただこの仕様だとエンジン側のゴムが切れまくるんで、これを全てアルミに変更する品物があった。
古いインマニ見つけてはこのALLアルミに変更していたんだけど、このインマニが問題を起こす。いつも頼んでいた部品がBO(バックオーダーの略。只今生産中のためできたらお届けしますぜ!ってこと)だったんで、他のメーカーのものをオーダー。届いたんでつけてみたら…合わない。
品物を確認するとどーもスポーツスター用らしいが、パッケージにはビッグツイン用と書いてある。
ああーよくある(本当にまじで沢山よく有りすぎるんですわこれ)パッケージングミスだなと思って、パーツ屋に
「中身違うから正しいの送ってー」と頼み、代わりのものが届いたが…全く中身もパッケージも同じものが再び届く。
この辺である程度のどつぼにハマることを覚悟、また同じ内容でクレームをだす、届く、出す…繰り返すこと10回ほど(後半は半ばやけくそ)ついに我が作業場には使わないスポーツスターのインマニが山のようになってしまった。
流石にこれじゃいかんと思って今度は試しにスポーツスター用のをオーダー。
さてさて届いてみたら、ちゃんとスポーツスター用のが届いた。一体どーしろってんだよ!結局BOだった部品を待ち、事なきを得た。沢山のインマニ達はそのまま本国へおかえり頂くことになる。
- 飛ばない火花、飛び散る汗
洒落にならんような話だけど、あまりにも思い切って不良品だったんで笑ってしまった名品。
ダイナS買って自分でつけたんだけど、どーしてもリアバンクだけ打たないから見てくれって入庫した車両。
取り付け方によってはこんな事もあるんで、軽い気持ちで確認しだしたが、取り付けに問題なし。なら運悪く取り付け後にコイルがおやすみするぐらい疲れているんかなーなどと思いテスターつかってコイルの確認をするもこれも問題なし。
再びどツボの予感を感じ、お客さんにはバイクをおいていってもらい本格的な原因調査にのりだす。経験上のありとあらゆる知識を動員してお試し部品を組んでいくが、これもでも症状の改善はなく、もう一度考え直す事に。
コイルよし、電気よし、ガバナーも問題ないし、ピックアップも片方飛んでいるなら問題なし…
と、ここで真ん中で回っている黒いぐるぐるが未チェックだった事を思い出し取り外して見てみる。この真中のぐるぐる回る黒いやつ、磁石が2つ入っていてかたっぽうはフロント用、もう一つはリヤ用なんであるが、見た目は普通に磁石が入っているように見える。
試しにその辺の転がっていたドライバーをくっつけてみる。
フロントはくっつくが、リヤは…くっつかない…
何度やってもドライバー変えてもくっつかない。きっちり穴開けてさもなんかが入っているように封入されているのに肝心の磁石が入っていない!これに気がつくのに約2時間、夏の糞暑い時にこれである。見た目がきれいで完璧だったため見落としたが、ここまで作るなら磁石入れておけっての!
お客さんと協議の結果、急いでいるとの事で新品のダイナSを買ってもらい事なきを得た。
- 100個入りの恐怖
モノによっては100個入りで届く部品がある。ガスケットだったりベアリングのコロだったり。
このベアリング、使う場所が超重要な上に、オーバーサイズなんかがあったりしてしかもそのオーバーサイズの値が非常に小さい(0.0002"とか)。
だがしかし、大事な場所なんでできればこのサイズを全て同じにしたい。なんで測る。とにかく測る。温度やゴミなどの不確定用をなるべく取り除きとにかく測る。んで、正しいベアリングを探すのである。管理人はその時多分だけど0.0004"オーバーのベアリングを欲していた。んで、どーせ使うからと100個入りをオーダー。
とどいたんで、早速測り始めるが…100個ほぼ全て0.0002"オーバーである…。もう一袋頼んで測ってもやっぱり0.0002"オーバー。ははーん、これはアレだパッケージングミスだなと思い袋のサイズより一回り小さいんだろうってことで0.0006"オーバーを注文。んで測ってみる。
そしたら中身はちゃんと0.0006"オーバーなんである!どーしろってんだよ!この間に測ったベアリングは数知れず、時間も考えたく無いレベル。まぁいい。いつか使うからいいんだ…と思いつついつもは使わないメーカーの物をとったらすんなり決まった。
書いていたらなんか腹たってきたなこれ。本当はまだある。ニュートラルに入れると消えて、ギヤ入っていると点灯するニュートラルランプスイッチ(笑)とか。
とりあえず今回はここまで。次回は管理人とバイクに致命傷を与えた洒落にならない編をお送りいたします。
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