ホットロットショーの感想と見せかけて

久々のブログ更新は12月5日に行ってきたホットロットショーで見つけた面白そうな物を紹介しよう。
とは言っても今回は本当に忙しくて、会場内をほぼ全く見ていない。ってことで管理人ががっつりからんでいる物の紹介をプロアンサー的な切り口で書いていってみたい。

ちなみに今回のホットロットショーはコロナ禍の影響で、搬入から当日の来場者の入り方、前売りチケットの買い方から撤収まで今までのホットロットショーとはまるで違う物となった。
これがまた運営も出店者もなれていないものだから結構すったもんだがあったりしてそれなりに大変でした。でもこんな状況下で開催に踏み切った運営には深く感謝したい。

そのおかげか客入りは日本人は例年並みかちょっと多いぐらいで、これもまたあくまで体感だけど全体の2~3割り程度いた海外からの来場者がすっぽり抜けた感じで全体的には人がちょっと少ないかなー?程度の大盛況だった。
でもやっぱりまつりって感じでいいやねー!

ってことで2019年のホットロットショーの感想以来 久々のイベントでみた●●を書いていってみるよー

マジのガチで作り始めた油圧ユニット

このブログをこよなく愛し熟読している方(いるかどうか知らんが)なら説明不要かも知らないが、そんなもん知らんって人に改めて軽く説明しよう。

この油圧ユニットって部品は英語ではhydraulic unitと呼ばれ、1953年のパンヘッドからショベルの終了まで長くエンジン内で使われていた部品だ。
その仕事は非常に重要で、油圧の力と構造によってハーレーでは切っても着れないプッシュロットの長さ(てかクリアランス)を自動で調整してエンジンノイズを極力抑える超優れた部品だ。

なんで今さらこんなものを作り始めたかっていうと、これが世界的にみてもいいものがまったく無い状態だからである。

え?それだけ重要部品なのに無いのかよ!

と、思う人いるだろう。でもちゃんと使える物はここ…10年ぐらいかな?めっきり減ってしまったんである。

作るにあたり、現在は一体どこがどんなふうに作っているかを徹底的にリサーチしてみた。
その結果、純正の差し替えとして使用できる油圧ユニットはおそらくであるが中国若しくは台湾で1社(ちょっとあやふや)、アメリカで1社(こっちは90%確定)がそらもうずーっと継続的につくり続けている模様。

特に中国or台湾性のものはmede in JAPANのステッカーをはられV-TWINとかから流通しているみたい。

あれ日本製じゃねーのか!

と、最初は管理人も思ったがどーも違う…らしい。この話はそれほど正確じゃないので話1/3程度で覚えていてほしい。

で、アメリカ製の物。
これは古くはクレーンカム製で販売されたり、カスタムクローム(CCI)などからアメリカ製として販売されていたもので、現在はS&Sが専用製品として販売している。

この自称日本製の油圧ユニットは市販されいている価格がアメリカ製の大体半分かもうちょい下って感じで、品質もそれなりといったところで、使い方としては交換して使えればラッキー!程度の物である。

んじゃ、くっそ高いアメリカ製はどうか?
正直このアメリカ製油圧ユニットが問題で、ここ最近本当に品質が下がって昔のように差し替えればOK!状態じゃなくなってしまったんである。

こう考えると今使える油圧ユニットは無いって事になる。
ちなみにEastern(イースタン)製の油圧ユニットはどうか?
そもそもイースタンのはイースタンのリフター専用となっており、純正リプレイスという立場を取っていない。更に更に品質については自称日本製とそんなに変わらないんじゃないかってのが正直な感想だ。

ちなみにイースタン製の部品も玉石混交といった感じで、いいものはいい(実はこれもアメリカのメーカー製造)んだけど、それ以外はどーにもならない部品が混じっていたりするので妄信的に信用するのはやめようだ。

ともかく油圧ユニットはこんな止むにやまない事情により作り始めた。

でもね~、いつもの事なんだけど、製造先が全く見つからなかったんですわ。日本の、特に当地にある工場は図面が無い、やったことが無い、売れるかどうかわからない(これは重要だが)ってものになると全く作ろうとしてくれない。
やる前ってか考える前から作ろうとしない、てかそもそも話も聞いてくれないってところが多くて本当に苦労した。

こんな状態で半ば諦めてかけていたんだけど、まぁ紆余曲折を経て巡り巡って作ろう!やってみよう!と言ってくれたのは…

イタリアの会社、しかもフェラーリの部品とかを製造しているXYZ S.r.l.が手をあげてくれたんですわ。

日本でも、ましてやアメリカでも無いイタリア。それもフェラーリ関係でございます。
イタリアって日本だとあまりイメージが無いけど、実は相当な工業大国でフェラーリだのドカティだの考えてみれば超が付くブランド持ちで、しかも繊維とかの機械では割とトップシャアを持っていたりする。

更にリバースエンジニアリング(今回の油圧ユニットみたいに古いものを現代に蘇らせる技術の総称かな?実は世界的は流行り)についてはそれ専用の機械なんかも作っていたりする、どっちがものづくり大国かわからないほどものづくりに対しても?情熱的な国だ。

ってことで、この油圧ユニットはるか彼方のイタリアと日本の小さいバイク屋の合作となりそうである。
XYZ S.r.l.に対しては管理人達がために溜め込んだ純正品と粗悪な社外品を徹底的にバラし、測定してなぜ今の油圧ユニットがだめなのかを割り出し、それをもとに設計、製造を委託した。

XYZ S.r.l.はそれを元に純正と社外品を破壊も含めたテストを行い只今図面の作成中となっている。

目標とする性能は至極単純、
純正と同じ様に特に工夫もなく組め、圧倒的な静粛性を保ち、且つちょっとしたハイカムならそのまま組めると、いう往年のアメリカ製をも凌ぐものを作る予定。

完成や試作品ができたなど、動きがあったらまたお伝えしよう。

ってことで、次に行ってみよう!

ガチのマジで本当にハーレー専用オイルを作り始めた!

この瓶にオイル入れたときの素直な感想は「はちみつ」…展示する時マジで泣きそうだった…

へ?ハーレー用のオイルなんか沢山あるんだから、作る必要ねーだろ!

と、思うだろう。確かにそのとうり何であるが、皆さんはオイルを入れる時にどんな選択肢に元だってエンジンオイルを選ぶであろうか?

管理人みたく、オイル買うぐらいなら自分の燃料(ビール)買うわ!だから高いオイルは入れられん!

とか、高いから良いオイルだろうってのもあるし、バイク屋さんのオススメだからってのもあるだろう。
おそらくであるが、性能表を突きつけ、純粋無欠で完全に性能でエンジンオイルを選んでいる!って人は皆無に近いんじゃなかろうか?

確かにオイルっていいものってか高いオイルになればなるほど、性能を指し示す各実験データであったり、性能表があったりする。管理人も立場上これらの性能表を目にすることもあるし、それを元に営業を食らったりすることもある。

でもね、あんなもん正直みてもわからん!のですわ。てかあれを理解するためにはそれ相応に勉強が必要で、それを読み解いたとしても待っているのは他のオイルとの終わらない比較で、そんな事するぐらいならだれかが良いと言ってたオイルを入れるという逃げの一手に走ってしまう。

しかも、多分であるが大多数のバイク乗り達はこんなリッター4,000円以上もするようなオイルをあの交換頻度(3,000Kmとか年に2回とか)でバンバン交換するには財布が痛いはずだ。

もちろんこれらのオイルはどこのメーカーのどのオイルでも確実に性能は極上である。それは今回管理人が作っているオイルと比べても、だ。
でも個人的に良いのはわかっていても値段でオススメすることができないのである。

ここまでは超高いオイルの話。
んじゃ、低価格帯(1リッター2,000円以下)のエンジンオイルはどうか?
この辺になると性能表的なものはまずなく(中には性能表があるのもあるよ)、API規格の値を信じるのみとなっている。でもこれじゃあれなんですよ、一番使う価格帯のエンジンオイルの選択肢が乗った感覚だけというなんともあやふやなものになっているんですよ。

我々自称歌って踊れる(たまに酔っ払う)メカニックとしてはこれは由々しき問題なんである。なんでもかんでも図って測って量り倒し、時には謀る事も厭わない酔っぱらいが、感覚のみでオイルをえれらんじゃだめなんじゃないかと。

ってことで、値段も性能も遜色なく、且つデータが揃っていて、ハーレー用として過不足ないオイルをつくってしまえ!ってのが今回のハーレー用エンジンオイル作成プロジェクトのスタートとなる。

FORTEC(フォルテック)という存在

こんなアホな要望を割と快く引き受けてくれたのが、このフォルテックさんである。

フォルテック?聞いたこと無いなー

って人は非常におおいんじゃなかろうか?
かくいう管理人もこのオイル作成以前は名前すら聞いたことがなかったのが実情である。
だが、今でも三菱ラリーアートのオイルを製造し、その流れからかラリーでも使われまくっているその筋では超有名オイルメーカーだ。

で、実はその歴史はかなり古く、先の大戦で日本の戦闘機として今でも誰でも名前を知っているであろうゼロ戦のエンジンオイル製造に端を発した生粋の日本製、由緒正しき血統とDNAもつメーカーだとも付け加えておこう。

なんかこう書くと仰々しいが、まぁノリノリの営業の方がいて、でも真面目にこんな企画に真剣に取り合ってくれる良いメーカーである。

管理人がフォルテックさんに出した要望は単純なもので

  1. 同価格帯のハーレー用として売られているオイルを徹底的に解析し、
  2. それらから足りないものを導き出し
  3. ピストンスカートが長く、背面圧力が高いEVO以前のエンジン特性を考え
  4. ドライサンプという一度オイルが静的な状態になる特性を考えること

と、いったところであろうか。

ってことで、ここでは書けない(本当は超書きたい)けど、皆様が日常的に使っているであろうあのメーカーのオイルとか、あのzyのオイルとか、あmrのオイルとかあとか色々なオイルの成分とかを徹底的に解析してもらった。
その上でベール性能を引き上げ更に上記のアチアチ時の圧力に更に強く、そして大事なエンジン内のゴミ回収能力の向上という性能を上げる処方を行っている。

そこまでやって低価格でいけるんか?
と、思う方もいるだろう。管理人もそう思うけど、ここは今までのオイルのカテゴリー、すなわち鉱物油、半科学合成油、そして化学合成油というカテゴリーにとらわれずなんならクオーター(1/4)合成油とかのわけわからんのでも良いんじゃないかと相談してる。こうして実売価格をなんとか2,000円以下に抑えるためにあれこれやっている最中である。

ってことで、このエンジンオイルは現在試作品ができてテストを開始である。
実際の販売にはまだ時間がかかる。そして絶対の性能は高価格帯のオイルにはかなわない。

でも間違いなく言えるのことは、同価格帯のハーレー用エンジンオイルの中で性能を担保でき、且つ確実なものはこれだけになるだろうということだろう。(やべ、ちょっと大きく出過ぎた)

終わりに

ちょっと長くなったが、いま管理人はこんなものを作ってたりする。
どれもこれもまだ完成させていないが、できれば来年春、できれば夏にでも一般市場にリリースしたいと思っています。
他にも書きたいことがあるんだけど、長くなったので次回にします
終わり!


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