パンヘッドのオイルポンプUPグレード
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すんません。
早くポンプ販売できればいいんですが、アレヤコレヤとやることありましてなかなか量産に至らない。
新しいの作るのって難しいもんです。
さて、68~72のポンプがつくかどうかですか。
この年式のポンプが手元に無いのではっきりとは言えません。つかアーリーショベルと70~72のポンプって一緒なのかな?
この辺がはっきりしないので、アーリー用のであれば・・・という前提でお答えします。
まずプライマリーオイルへの供給がひょっとしたら無理ってのが前提です。外部ラインつければ行けるんでしょうが、通常ラインでは多分無理。
性能アップですが、これは確実にアップします。ギヤがガバっと厚くなりますから当然オイルの圧送量もそれに見合って増えます。このギヤの厚みは送りも戻りもS&Sのと一緒です
つまりそういうことです。
で、つくかどうかの問題ですが多分・・・ポン付けです。ボルトオン。無加工でつけても大丈夫なはずです。
これは基本的なオイルラインがアーリーでもパンでも変わっていないからです。位置も一緒。エンジン側の入口って言えばいいのかな?オイルが行くラインは一緒です。構造も変わらず。
リリーフの位置も一緒。これならボルトオンで行けない理由がない。
つまりアーリー用であればそのままつけてもギヤが厚くなった分だけ性能アップするだろうって感じです。
んじゃ次に問題点。
まずパンから72年までのオイルポンプは圧送したオイルが不要だった場合クランクケースにそのオイルを開放します。
でかい穴からギヤケース内にバーン!と捨てますw
つまりポンプでおくったオイルをぜーんぶエンジン内に送り込んじゃうんですが、これだと冷えていてオイルが硬い時なんかは相当量のオイルがエンジン内に送られてリターンがまにあわん!ってことになりかねません。
その証拠ってわけでも無いのですが、アルミポンプに変わって当時のハーレーとしては素早いわずか4年でこの方式をすて、いらないオイルは直接オイルタンクに返す方法に切り替えています。おそらくそれなりに問題が起きたのでしょう。
他にもエンジン側に行くオイルラインが1つしかなく、非常に効率が悪いという問題があります。
これはクランクピンへのオイルラインの構造でなんとかするか、ポンプ内できっちり腰上と腰下に行くラインを分け、効率化するかどうかの考え方に出ています。
クランクピンのへのオイルラインは72年までのものは一般的アウトサイドオイラーと言われる方式を取っています。
これはピニオンシャフトの横に穴を開け、それを支えるブッシュにも同様に穴があります。ブッシュの穴にはオイルポンプからくるオイルが送らてきてて、クランクが一回転、360度回るうちのほんの一瞬だけこの穴どうしが出会い、そのタイミングのみでクランクピンが潤滑される仕組みです。
それ以外の時間はヘッドに全力でオイルを送れるのでまぁありっちゃありです。
ただしこの方式だとブッシュとピニオンのクリアランス管理と穴位置が超重要になってきます。クリアランスがガバガバだとせっかくの刹那のタイミングで送ったオイルが全部漏れちゃうなんことになりかねない。
で、対策というか1973年以降はそんな面倒はやめてピニオンシャフトの後ろから常にオイルが行けるようにして、送る送らないの制御はポンプ内のリリーフバルブ周りが中心となって制御しています。
これの特徴はエンジン側に完全に独立したオイルの行きラインを作ってある、つまり穴が2つあることです。
1973年以降のハーレー、S&S、管理人ポンプもこの考えに基づいて作ってあります。
まーた色々書いて長くなったのでまとめます。
- アーリーショベルのポンプであれば99%ポン付け
- 70~72のポンプは手元にないからわからんけど多分つく
- 性能は確実にアップする
- ただし非効率
- リリーフがエンジン側なのでこれが問題起こすかも
といったところでしょう。
リリーフ問題は冷えているときにガンガン圧送するときが問題だともうので、マルチグレードオイルでも入れてしまえば多少は緩和できるはずなので、参考に
つか鉱物オイル使うならシングル使う理由でもうないんじゃねーかな・・・
いつも詳しい回答ありがとうございます!
ポンプの仕組みもかなりよくわかりました。
色々バラす前は興味ない分野でしたが、中を見るとその仕組みにも興味が出てきて面白いですね。
頂いた回答の中で確認なのですが、
「まずプライマリーオイルへの供給がひょっとしたら無理ってのが前提です。外部ラインつければ行けるんでしょうが、通常ラインでは多分無理。」
とありますが、アーリーのポンプを初期パンに付けるならば
「ポン付けは出来て性能はUPする。ただしプライマリーオイルへの供給が無理。外部ラインが必要」
という認識で良いでしょうか?
アーリーのポンプをポン付けしておしまい、ではダメよという事でしょうか?
「ポン付けは出来て性能はUPする。ただしプライマリーオイルへの供給が無理。外部ラインが必要」
この認識であっています。
ただ、ほんとにポン付けできるかどうかがちょいと曖昧。多分大丈夫なはずですが。
70~72がちょっと自信ないってのはリリーフラインの位置が全く違うため、ポンプにそれなりのラインが無いとリリーフ不可の可能性があるからです。
手元に資料が無いため確認ができないのですが、このへんはOEM番号が一致しているかどうかである程度判断してもいいかも。
ちなみに番号の末尾2桁は初登場年式、例えば78とかなら1978年に初登場という意味で、その後のAとかBは改良型を表します。この辺である程度部品の整合性の確認が取れます。
プライマリーオイルの供給ですが、パンまでのTINカバーはブロバイにオイルを混入させてプライマリーチェーンにオイルを給油、対して1965年の最終パン以降はアルミプライマリーカバーとなり、オイルの回収機構がつきオイルポンプからホースをつなぎプライマリーにオイルを供給してます。
このため鉄ポンプでも65から67のものはプライマリー用オイル吐出口がついていて、それ以降のアルミポンプもプライマリーオイル口がついています。
で、これ細いホースを一本プライマリーに突っ込むだけってことになるんですが、手間のわりにオイル撒き散らし汚いので、ベルトドライブにするかシールチェーンに交換してノンオイル構造にしちゃったほうがいいです。
なるほど!という事は、アーリー(66〜69)のポンプをポン付け出来てしまえば性能アップ。
(もしかして〜72ポンプも加工ありでいけるかも!?)
その際に問題となりそうな「プライマリーオイルの供給」もベルトドライブかシールチェーンに変更して、プライマリーオイルの供給自体を不要としてしまえば解決という事ですね。
実は以前、プライマリーオイルが何かの拍子に止まっていた事があり、スプロケががっつり削れた事がありまして、それからシールチェーン化を考えていたので丁度よかったです。
色々詳しくありがとうございました!!試してみますね。
(管理人さんの開発するポンプも完成お待ちしてますww)