2019ジョインツで見つけたハーレー用レクトロンのキャブ
すいません。
前回はまるで爆撃にあったんじゃないかっていう唐突な終わり方をしてしまった。
今回は短めになるかもだけどちゃんと書きます。
どーんと縦にしてみた。
青い部分がインナーチューブで、図には書いてないが、この中に上まで届くフォークスプリングが入っている。
緑色のはアウターチューブで、オレンジ色のやつが前回にも写真に乗せたフォークオイルが行来したりスプリングが座ったりとフォークの動くを決定づける重要部品(すまん。名前忘れた…)で、これはアウターチューブにネジで固定されている。
フォークオイルは、大体アウターチューブの上ぐらいまでは入っていてインナーチューブが上下するとオレンジ色の部品にあいた小さな穴でインナーチューブアウターチューブの間を行き来する。小さい穴を行き来するもんだから抵抗がかかるんだけど、この抵抗を利用して減衰力を得ているよ。
これがフロントフォークの基本的構造。
ハーレーの場合は77年以降のフォークであれば太さ年式(スポーツスターの1200Sやダイナの一部モデルを除く)問わずみんなこの構造をしている。
良く聞くフォークのO/Hはこれらをばらして測定し、オイルとシールを変える作業に他ならないだけど、どこを見るかってをざっくり説明するよ
こいつはまず曲がりを見る。多少の曲がりであれば許容範囲とするけれど、がっちり曲がっている場合は物によっては修正したり新品と交換する。曲がりの数値に関しては企業秘密ってことで…
後は表面の摩耗状態を確認。インナーチューブは硬質メッキがかかっているんだけど、長年の使用によりアウターチューブと擦れて減っていくんですわ。
これもまた許容範囲があって、あんまり減っているとオイルシールが仕事しなくなってオイルがじゃじゃ漏れになる。
また、社外品に交換する際も注意が必要で、安いからとただのクロームメッキのやつは使ってはいけない。シールがグリップしてまともに動かないし、すぐ減っちゃうよ。もちろん、カスタムとかで見た目優先なら中のオイル抜いてでも使うべし!
後は社外品は(純正もかも)太さがまちまちでシールに対してきつかったり緩かったりいろいろ弊害がある。
なんで交換の際はその辺の弊害が起きることもなんとなく考えていたほうがいい。
アウターチューブ出口に付くシールで、中のオイルを漏れないようにしている。
まぁただのシールなんで、特に説明することもないんだけど、このシールもまた社外品が曲者なんで交換するなら純正がおすすめ。
社外品でもいいのがあるにはるけど、内緒♥
こいつはやたら頑丈な上に擦れる部分にはスライダーやシールなど交換できる部品が付くようになっているので、まず壊れるとかそんなことはない。
ただし、オレンジの部品を止めるところや下側にドレンボルトがあったりするんだけど、この辺のネジがダメになって修理することはある。シールを入れるところも弱いので注意が必要。
減衰力調整がついていないハーレーのフォークにおいてセッティング可能な貴重な部分。
社外品に交換するのも当然だが、純正品でも内部にあるカーラーの長さを変更することでバネの固さをある程度変更する事ができる。
ただどんな場合でも社外品、しかもばねの巻きが上下で変わっているやつ(10センチあたり10巻いてあったり15まいてあったりと巻きの密度を変えて縮んだ際のバネレートを変化させるための構造。プログレッシブ構造といったりもする。もう有名スプリングメーカーの名前そのままです)のほうが優秀なので、フォークの動きが気に食わなかったらまずはバネを社外品に変更する事をおすすめする。
実際のセッティングは乗ったりした時にこのバネが硬いのかやわらかいのかを見極める。
ただし、オイルの減衰力もあるので、判断が難しい点でもある。この辺はノウハウの固まりとなってくる。
一つ絶対的に必要なのは1Gで必ず沈み込みを作ってやる事。これがないとフロントフォークが伸びないので、加速や凹み通過時にとんでもない事になるよ。
フォークオイルも数少ないセッティング可能な部分だ。
フォークオイルそのものには潤滑する能力はそれほどなく、単純に減衰力を得るためにフォーク内で使う。でも錆び防止には役立っていると思う。
あくまで減衰力が目的となるので、フォークオイルのセッティングは硬さの調整がメインとなってくる。
この硬さ調整もまたノウハウの固まりで、やわらかすぎてもかたすぎても駄目だし、そもそもこの固さを表す数値がメーカー事によって全然違う(統一規格的なものがない)。
ハーレーにいたっちゃEとかCとかそんなんだったはずで、これじゃ何が何だかわからんので管理人はハーレー純正を使ったことがない。
今は某メーカーを基準としてその数値から導き出したオイルの方さを元に、ツーリングモデルかそうじゃないかで何とか適当な固さのオイルを作っている。
でもこれすら絶対じゃなくて、ここからオイルをブレンドすることでやわらかく、若しくは固くしたオイルを使うこともある。
こんな感じでフォークオイルのセッティングは量は全く関係なく、あくまでも硬さのみで行うってことは覚えておいてほしい。
フォークオイルセッティングそのもので量は関係ないと書いたが、オイル量は油面の高さを変化させる。
この油面の高さはオイルの減衰力そのものには影響がなくインナーチューブの上の部分にある空気の量を変化させるために油面を取る。
フロントフォークは基本的に密封されていて、この上の空気もフォークの動きに合わせて圧縮され、空気バネとして働くんだけど、この働き具合とタイミングをフォークオイルの量で調整することになる。
過去には(80年代半ば頃までかな?)この空気に圧をかけるための機構や、左右同じにするようなもの、ハンドルを空気タンクにして更にダンパー効果を高めようとしたものなど様々な意欲的構造が各メーカーから出ていたけど、どれもこれも非常にめんどくさく、また構造も複雑な上にオイル漏れも起こりやすく、部品点数が増えるからコストもアップ、その上それにに見合う対費用効果は非常に低いと今考えれば何であんなもの付けたんだって思うんだけど、でもどのメーカーも頑張っていた。
この油面、たがが空気だけれど急な動きとボトム付近ではかなり効果があり、バカにできない。
メーカーや年式によってはオイル量の指定がなく、油面のみ指定されていることもある。
ハーレーの場合はオイル量の指定だけさせれているのがほとんどなので、この油面もまたノウハウの固まりとなっている。
とりあえずフロントフォークの構造的なものはここまで
次回はリア回りに以降していきます。
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