フライホイールのバランスについて教えてください。
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フライホイールバランスについては確かに謎の部分が多いかも知れません。分かりづらいですしね。
おそらくプライベーターでは道具でも、また理論的な話や習熟が必要って点で無理な作業ですし、やらないほうがいいと思います。
ってことで、いつもどおりザザザっと答えていきます。
Q1. フライホイールのバランス取りとは?
単気筒エンジンや特定の角度を持つV型エンジンなどで行われる振動を軽減するための作業の総称です。
イメージになりますが、直列型に気筒が並ぶエンジンや、水平対抗エンジンのようにどこかのピストンが上死点にあってどこかの気筒が下死点に来るような設計のエンジンの場合はこの作業は必要ありません。
これはレシプロエンジンが往復運動から回転運動を取り出すという構造上の宿命です。
クランクはこの往復運動から回転運動を取り出しています。それはもう凄まじいスピードで重量物が往復をして、その反動で回転運動を取り出しています。この際の特徴として往復運動部分は上死点と下死点で必ず運動量がゼロになるって特徴があるんですね。
長くなるので土田さんのイメージに頼っちゃいますが、このときに振動が発生します。上記の直立とか対抗エンジンはこの振動を相対する位置に往復運動の重量物、すなわちピストンとかそんなのが来るようにしてその振動を相殺します。
このためバランス取りとして厳密な重量合わせを行います。これによりあくまで原理的ですが振動を出ないようにします。つまりあくまでも原理的な話ってか、ん~~~構造的に振動をゼロにする事が可能とされていたはずです。
対して単気筒エンジンの場合は相殺する対抗する気筒がありません。また、V型も気筒の角度によってはこの相対するウエイト(ピストンとか)がありません。
これでは駄目だろ!なら擬似的にでもこの状態を作ってやろうや!
…ざっくりですがこれがバランス作業のスタートになります。ちなみにV型でも角度は忘れましたが、場合によってはバランス作業は必要なかったりします。
ホンダのRVF400あたりはいらなかったり、750のVFRになると必要だったりした…かな?
ともかくバランス作業ってのは構造上振動を消すことが出来ないエンジンに必要なものだと思ってください。
Q2. 結局、何%がいいの?
これも難しいです。バイク屋さんの間でも話が分かれる話ですし、具体的な数値はここで書くのは勘弁してください(笑)
このバランスファクターの数値は上記のように構造上完全に振動が消せないエンジンの常用回転域でいかに振動を消すかってことに主眼をおいた作業に使うものです。
つまり全域での振動を消すための数値じゃ無いってことが一つの肝になります。
ってことで、膨大な実験とものすげー計算で求められるものです。どこの回転でどこまで快適にするかってことです。
この辺を真剣に勉強するのであれば、古の内燃機工学の領域に足を踏み入れる事になります。
管理人の頭では流石に理解できないので、状態のいい純正を何台かバラしてそこで逆算をしてあくまでも純正準拠のダミーウエイト値をコンロットの長さによって適応させて今まで過ごしています。
てことで、管理人の中では結局何%がいいのかの答えは・・・純正に準拠するこれが答えです。
Q3. スタティックバランス?ダイナミックバランス?アクティブバランス?
スタティックバランスは日本語に直すと静的バランスです。
水平の台に乗せて専用の工具を真ん中の穴に刺し、ダミーウエイトをくっつけたフライホイールを転がらないように重たい部分を削る、若しくは軽すぎる部分にフライホイールを構成する鉄より重い鉛などを流し込んでバランスを取ります。
この辺も重くするか軽くするかは説明が難しいですが、バランスですw
静的バランスなので重力任せで重さを測っていきます。
対してダイナミックバランスはそれ専用の機械にダミーウエイトをセットした状態でダイナミックに、日本語に直せば動的にぶん回し重たい、軽いを機械に頼りつつ出していきます。
アクティブバランスは聞いたことが無いです…。おっさん技術者の予想ですが、おそらくピストンとかその辺を完全に組んだ状態で機械にかけてバランスを取る、つまり往復と回転部分を全て組んだ状態でそれ相応の機械にかけてバランスを取る方法なんじゃないかなと推測します。
書かれているスタティック、ダイナミック、アクティブと順を追うほど計測機器のレベルが上がる印象です。
どれがいいってはのは確実に測定者の技量に関わるんですが、発展した機械を適切に扱うことができるようであれば後者のほうが優れていると言えると思います。
ただし、そこまでの機械が需要と供給の問題も絡み今現在あるかどうかは懐疑的になります。
Q4. 液体金属?でバランスをとる商品の有効性について管理人さまはどのようなお考えですか?
バランスマスターですね
フライホイールに内蔵するタイプは残念ながら試せていませんが、外付けタイプなら超効果があります。
何をつけても効果がわからない管理人ですらプライマリーのエンジンとクラッチに取り付けただけで10mも走らない程度で違いを感じたレベルです。
外付けであれだけ効果があるんなら振動発生源のフライホイールにつけたらどれだけ効果があるか…そのうち是非試してみたい!
こんな感じです
酔って書いたので後で見直して直すかも知れませんが、他のバイク屋さんの意見もお待ちしてます
フライホイールだけじゃなく、エンジン各部は眺めれば眺めるほど奥が深いです。
バイク屋が集まって、それこそもう何十年もやっている人達が集まってても
これってどうなんだろ…
とか言ってますからねー。潤沢な予算があれば些細な悩みなのかも知れませんが、限られた予算の中でいかに最高の状態のオーバーホールを目指すか、これは我々にとって永遠の課題かも知れません。
個人的には商売と考えるとマイナスなんですが、自分で作業をするのはいいことだと思っています。なにせ管理人自身が高校生の頃から自分のバイクはほぼ全て自分で整備していた(金がないってのもあるが)んで、それを今更他の人にはやるなとはすっごく言いづらいのです。
頑張ってみてくださいー
ちょっと追記
今まで全く書いてこなかったんだけど、もうちょい詳しい話を別のサイトだけと書いたのでリンク貼っておきます