ハーレー用のオイルを作ったらショベルとかにベストマッチオイルができた

オイルの加熱テスト

久々のブログ更新になっちゃった。いや、ネタはあるし写真とかも準備してるんだけど、中々書く気が起きなくて放置が長くなってしまった。

まぁそんなのはいいとして今回は回答やら他のブログやらで書いてきた

ガチのオイル屋とハーレー屋が本気でハーレー用オイルを作る!

プロジェクトが大筋終わったのでそのお知らせである。

結論から書くと、正直もうほかのオイルは使いたくない。
それはもちろん自分達で苦労して作ったオイルが可愛いからってものない訳では無いが、他社のオイルも含め徹底的なテストを行い、その結果から性能的に満足できるといえるのがこのオイルだけだからに他ならない。

今回は表題のようにショベル(というよりギヤ式ポンプ)用といっても差し支えないような性能を発揮するようになったこのオイルを作るに当たって一体どのようなテストを行い、なぜショベルやパン、エボを含むギヤ式ポンプ(もちろんこのオイルの恩恵はツインカム以降のエンジンやスポーツスターにも有用だろうが)を持つハーレーにはこれ入れとけ!と言えるまでの性能を発揮できるのか、例によって回りくどく、適当な文章で説明していこうと思う。

ショベルとかにベストなオイルって何かを改めて考えた

まずはこのエンジンオイルのざっくりした説明をする。

現代のオイル基準でいうとこのオイルは半化学合成油となり、硬さ表記としては20W-50のマルチグレードとなる。

え?マルチグレード???ならショベルとかに使えないじゃん!

と、思う方もいるだろう。
なぜマルチグレードに、そして半化学合成になったか?その辺も含めて説明しよう。


ことの発端はプロアンサー管理人が地方サーキットでオイルメーカーのFORTECの営業、菅●さんとであるところまで遡る。

管理人「おー!オイル屋さんですねー!今度ハーレー用オイルつくりましょーよー!(ただのバカ)

菅●「ハーレー用オイル?いいっすね~、興味ありますわー

管理人「んじゃやりましょー!

菅●「おー!

って感じで実に軽いノリで始まったこの企画、何度か話を進めると言いしれぬ怨念と縁(ちょっと書けないレベル)が重なり、次第に骨格が出来上がっていく。

まず、初回のサンプルオイルは鉱物油だった。これは管理人の希望で価格を抑えた上で高性能というある意味無茶な設定をFORTECが聞いてくれた結果である。

だがしかし、ここはやり手営業の菅●、しっかり抜け目なくFORTECのオイル性能を決定づける成分をぶちこんだ(これで半化学合成と言えるオイルに仕上がる)更にワンランク上の試作品も作ってきていた。

この半化学合成のオイルをショベルに入れたところ、なんとオイルがチンチンに温まった段階でもその辺のSAE50オイルより油圧が跳ね上がるという現象が確認された。

(°д°)

こんな感じである。
当然油圧ゲージなんかの故障とかも疑ったんであるが、どーもそんなことはない。

菅●さんに確認したところ、FORTEC(以下フォルテック)の大本になる素材には流体が物質に絡みつく特性があり、これに寄って油膜が切れづらくコールドスタート時なんかにダメージが入りづらいって特徴がある。
ただ、古いハーレー、ショベルとかパンなんかに採用されているギヤ式のオイルポンプに入れた実績は無いのでなんとも言えないが、もしかしたらこの特性がギヤ式ポンプの特性とマッチし、結果油圧が上がったのではないか?とのことだった。

⏤⏤⏤我々はもしかしたらとんでもないパンドラの箱を開けたのかもしれない。⏤⏤⏤
こうして軽いノリで始まったオイル開発はよくよく考えてみればなんとなく使っていたハーレー用のエンジンオイルってものがどんなものかを真剣に見つめ直し、他の部品同様よりよいものを作りたい、使いたいという欲望へと変化していく。

だがしかし、時は冬。当地新潟では雪が振り、地面は氷り、飛ぶ鳥は落ちる(かなり盛った)
こんな状況ではまともなテストなぞまず叶うはずがない。

そこで例によって冬でも太陽サンサンと輝く神奈川は横須賀にあるトッポジョージの店主、ジョージに白羽の矢が立つ。
そして彼は狂気とも言える情熱と方法により2夏の間このオイルをショベルに入れいじめ抜き、改良を重ね抜くことになる。
そして、このオイルは完全にフォルテックとトッポジョージの合作オイルとして世に放たれることとなった。

果たしてオイルはどのようなテストを受けたのか?

オイルであり、そして競合する商品が多い以上は他社の(もちろん純正も含めて)のハーレー用オイルが一体どんな性能を盛もっているのか見極める必要がある。
実際の走行については過去から販売されているこれらのオイルについて今更どうこうする必要も無いので、まずは成分テストってか性能テストになるんかな?まずはこれをやってみる。

・・・やった。
が、ASTMとか粘度指数、mgKOH/gとかICPだの色々書いてあるが、わからん!

この辺は作るプロに任せて、我々バイク屋ができるテストってのは一体なにか?
それはオイルをバイクに入れて走る!となる。ここで当に狂気とも言える手間暇をかけてトッポジョージはテストを開始した。

まずはここでもう一度良いオイルの定義を簡単におさらい。値段とかそんなのは関係なく、こんなオイルが理想なはずだ。

  • 良く冷えて
  • バッチリ潤滑し
  • その性能がオイル交換サイクル内で問題なく発揮され続ける

多少乱暴だがこんなところだろう。
テスト車輌は何台かあるが、横須賀でのテストではショベルヘッド。内1台はオーバーホール直後の慣らし運転として、もう一台はオーバーホール後から約6,000Kmほど走行したもの、そしてもう一台は長距離ツーリングユースがメインのオーバーホール後30,000キロほど乗ったショベルとなる。
これらの車両に油温計、油圧計をつけて走行後停止した直後にヘッドの温度を測るために赤外線で温度計る道具を積み込み試乗をする。当然試乗する際の時間と外気温、湿度、風速を記録しておきメモとして残す。
で、一度の距離が大体50キロから100キロ程度の走行として、その半分ぐらいの距離で一度停まって油温だのなんだのを計測、それを10数回繰り返した。

更に更にこれだけじゃ比較対象が無いので、今現在結構使われている某社製の20W60半化学合成オイルや・・・もそれと、sれwf(大人の事情により割愛)とかも同様に400キロ程度試乗。
これによって一体走ったオイルにどんな変化が起きていくのかを確認した。

次に長距離を一気に走った際にもどうなるかを確認するために約600キロのツーリングを兼ねたテストを慣行する。これは上に書いたオーバーホール後約3万キロ走ったショベルにてテストを行った。

そして更にトッポジョージのメカニック、都内在住のハルさんが自分のエボに入れてこの2023年の猛暑も含めて都内や横須賀との行き来に乗り倒すというオイルのテストってかエボの我慢大会じゃね?みたいなテストも合わせて決行する。

で、最後の仕上げってわけでもないんだけど、20年ほど前にオーバーホールをしその後約2万キロほど走っていい感じにくたびれたパンヘッドにこのオイルを入れてフィーリングや巷で言われているオイル漏れや燃焼が起きないかどうかのテストを行う。
このパンヘッドは1961年製。オイルポンプも鉄製のノーマル、プッシュロットの油圧ユニットもそのままであり、マルチグレードに対する不安を払拭するために遭えてテスト車輌として選んだ。

正直このテスト結果を一連の表とグラフにしてこのブログに載せようかなと思ったんだけど、あまりの量と結構えげつないグラフになるので今回は割愛する。
それだとちょっとさみしいので、古くから伝わるオイル加熱テストもこなったのでその様子とテスト方法を更に書き足す。

この加熱テスト、なんかすごそうだけど、単純に試験管に入れたオイルをアルコールランプで炙ってその結果を確認していくものである。
このあぶられていく間に目視によって同時に3人が確認していき、以下の事象が起きた時間を記録していく。

結果は次の項目にて軽く触れたい。

これらのテスト、もちろん問題の起こった車両など無い。
乗った感じや感想をまとめると、シングル50ばっかり使っていた人だと始動性が良くなった、乗った感じがパワーアップしたとかの意見が多かった。

夏場の過酷なテスト中の意見としてはやっぱり熱ダレがしづらくなったとか概ね好意的な意見が多かったと付け加えておこう。

と、まぁ色々やった。その結果一体何がどうなったのか?それを次に書いていってみよう。

新ハーレーオイルの結果発表!

それではこのオイル(この文章を書いている時点で名前が決まったので以降正式名称としてGTMオイルとします)の特徴を書いていこう。
が、その前にオイルの性能ってどうしても明確な基準がない分、相対的なもの(要するに他のオイルとの比較だと思ってください)になってしまうことを心にと止めて読み勧めてほしい。

油圧が上がる

先にも書いたが、このGTMオイルは油圧が上がる。同じ硬さのシングルだろうがマルチだろうが50番との比較ならトロコイド式オイルポンプでは未確認だが、ギヤ式ポンプではパン、ショベル、エボ問わず油圧が上がる。
その数値は車両によってまちまちだったが、この数値はシングルってか60番のオイルに匹敵する程度の値である。

エンジンが冷える

夏の夜、気温は28度から30度といったところでの走行テスト及び都内の過酷な走行からの結果である。

高速道路走行後、料金所を経てちょっとだけ下道を走った後の結果であるが、普段バイク乗っていればこの状況が如何にエンジンが熱い状態かなんとなく察してもらえるだろう。

このときのヘッド温度は10度程度はGTMオイルのほうが低い。
何度やっても、どのバイクでも必ずGTMオイルのほうが低い。
これはオイルの動作温度以降の放熱性が異常に高いために起こる・・・と予想している。この放熱性は加熱テスト結果(後述)においても如実に現れている。

オイルが温まるのが早い

え?温まるの早いってそれって良くないんじゃないの?

と、思う方もいるかも知れない。
が、オイルってのはその性能を100%発揮するには適正な温度が必要となる。この適性温度、一般的には90度から110度程度と言われ、ご多分に漏れずこのGTMオイルも水なら沸騰しそうな温度が適正動作温度だ。
言い換えればこの温度に達しないならばオイルはその本来の性能を発揮しないとなる。短距離(大体30キロ以内)の走行が多い場合この温まりやすいってのはオイルの大きな性能指標とみていいだろう。

これは気温が低い時の走行テストなんかでうっすらと判明していたことであるが、加熱テストによってより明らかになった。

そしてこの性能が長持ちする

ここが結構悩みどころで、試作を何回も行った理由。
GTMオイル以外でもそうなんだけど、オイルって入れて走り始めた段階からその性能が落ちていくんですわ。
例えば20W-50のオイルが気がつけば30W-50ぐらいの性能になっていたり、GTMオイルの特徴である油圧が上がるって部分が、じわじわ下がっていったりとちょっとでも使えば少なからず劣化していく。

エンジンオイル?あんなもん安物バンバン交換しておけばいいんだよ!

と、昔気質のおっさん達が良くいってたもんだが、アレってまぁ事実だったんだとしみじみ思ったり。

んじゃこのGTMオイルはどうか?
少なくとも今回色々比較したオイルの中では一番の耐久性といっていい。なにせそれを目指したし、酷いのだと300キロ程度走った程度で目も当てられないぐらい性能劣化するオイルもあった。
もちろんこのオイルだって性能劣化はする。が、旧車のオイル交換サイクルと言われる約3千キロはその特性を十分活かせる性能は維持できる程度の耐久性を持たせることができた。

これはもう完全にフォルテックの技術力の賜物である。

そして次に加熱テストの方法と結果を表したい。
ぶっちゃけこの方法、多分単体でやっても結果が分かりづらい。それこそ細かい走行テストがあったからこそ、この結果に意味が見いだせるものだと思う。
今思えば走行テスト結果の裏打ちとしてなんか妙に納得行く結果だったと思う。その理由も含め結果を書いていこう。

加熱テストの目的

高温を与えることで短期的に温度変化による影響や組成の耐久性、寿命を確認するために古くから使われているテスト方法。有意なデータが取れると判断し実施。

テスト方法

ガラス製試験管に両オイルを10cc取り、アルコールランプにより試験管に熱を与える。この際室温は概ね28℃。スタート時のオイル温度は別紙参照。
アルコールランプから試験管の距離は等距離とし、室内は無風状態でテストを行った。

温度測定

赤外線温度測定器を使用。試験管のメモリ位置で中間に当たる5ccのラインで測定

状態変化

以下の状態変化が起きたときの時間を測定。状態変化は3人が目視で判断。
このため多少のタイムラグ、及び温度の結果に影響を与えていることに留意。

  • ①気泡発生時間
  • ②気化確認
  • ③変色発生
  • ④黒色化
  • ⑤突沸兆候(沸騰)

備考:黒色化については赤外線温度測定器に付属するレーザーポインターが透過するかどうかを判断基準とした。

【試験結果】

上記の表を元にしたグラフ

加熱テスト結果の折れ線グラフ

と、まぁこんな感じの実験と結果である。多分なんのことかよーわからんわ!となること請け合いだと思うので、当時管理人が実験を終えた感想を調子こいて書きとどめていたので、それをそのまま乗せる。ちと文体が硬いが、一応報告書的な感じて書いている文章なのでご容赦。でも結構わかりやすいと思う。

【考察】Aオイル

動作温度付近まで温まりづらく気泡発生温度が低い。気泡発生後は絶えず泡が出続け、膨張を続ける。

変色確認後は一気に黒色化が進みたオイル温度も上昇する。240℃前後で突沸の兆候があったため実験停止。

匂いは化学的な匂いがきつく、実験場全体が臭くなるほど。また、刺激臭が強い。
温度情報は150℃近辺で一度落ち着くが。変色発生後は指数関数的に温度上昇が見られ放熱性が下がった事が示唆される。

そこから突沸兆候までは体感的に非常に短期間であった。

【考察】GTMオイル

120℃ぐらいまでは温まりやすく、気泡発生温度がAに比べて極めて早い。
そこからも温度上昇は早いが、気化確認後は一転して温度が下がる場面が見られる。その後の変色発生からは温度上昇スピードが非常に遅くなり、加熱分を放熱していると推測する。

黒色化を250℃と判断したが、赤色レーザーはこの時点でも透過することができAとの対比は実質不可能。

その後も突沸状態まで加熱を試みるが、突沸に至る気配もなく11:00分で実験を打ち切る。終了時は温度が下がるという結果になった。

匂いはごまを炒ったような香ばしいさ。それほどきつくなく、刺激臭も無い。室内全体に臭いが広がることもなく、程々に臭う程度である。

うんわからんな!
メッチャクチャ平たく言えばGTMオイルは何故かさっさと温まり、動作温度とかそれぐらいになると今度は全く暖まらなくなり、なんならたまに冷えるとか言う謎の挙動を見せおじさん達の度肝を抜く。
んで、そこから温めても完全に炭化することもなく、何故か一定の温度を保ち沸騰もしない。
もはや実験に立ち会ったおじさん達の脳みそはついていけない挙動をみせ、圧倒的な熱耐性と安定感を持ちながら相手を圧勝、最後はドクターストップによる競技中止と相成った・・・って感じである!

と、まぁこんな(どんなだよ)感じでショベルやパンでの走行テストを元になんども試作を繰り返し、そのフォルテックの技術力によって性能については小うるさいトッポジョージですら納得するエンジンオイルが一応の完成を見るのであった。

パンやショベルヘッドにマルチグレードオイル問題

長くなったが、最後にこれを書いておこう。
ちなみにこの問題は過去のブログにも書いてあったりするから気になるようなら参考にしてほしい。

過去ブログにも書いてあるけど、管理人は古いバイクにもマルチグレードのオイルを入れるし問題ないと思っている。
それはシングル40のと10W-40の40の部分、ここは温まった時の硬さを示すものであり、100℃の高温時に12.5cStと16.3cSt(1cStは水の動粘度)の間に入るよって意味で、同じ単位を元にしている以上ここに示される硬さは一緒である。
で、100℃って事はオイルの基本となる動作温度なので、普通に走っている状態であればシングルもマルチグレードのオイルもその硬さには全く差が無い。ってことになる。
これが理由その1。

次にシングルグレードオイルの寒いときのあの硬さ!
まじで水飴で、あんなのをオイルポンプが回していると思うと大変な力がかかっていることが容易に想像できる。また、今回の走行テストでも痛感したが、夏場以外オイルは中々暖まらない。つまりあの硬い状態でずっとエンジンを回すことになるんだけど、素直にこう思う。
大丈夫なんか?と。

シングルグレードは冷えている時に硬すぎてその固い状態を長く維持しがち。つまりエンジン、主にオイルポンプに負担デカすぎ。

これが理由その2

そして最後に最近追加された理由3。
なんのことは無い、フォルテックの古強者をはじめオイルのプロ達がシングル50を入れているエンジンにマルチグレードを入れるとなぜ駄目なのか全く説明ができない、つまり化学的に理由をつけられないといったから。
ぶっちゃけこれ以上の理由はいらんと思う。

んじゃなんでマルチグレードオイルが流通の主流になってから何十年も立っているのに、未だにショベルとかパンの旧車にマルチグレードは駄目!ってなっているのか?
今までプロアンサーや生身で聞いた、聞かれた事を総合してその理由を書いていってみよう。

マルチグレードと化学合成の区別が曖昧

良くマルチグレード入れるとガスケットに浸透してオイルが漏れる!ってのを聞く。
だがしかし、同じ鉱物油でしかも温まれば同じ硬さなのになんでマルチグレードだとオイルが染み込むのか。
確かにに冷えている時はマルチグレードのほうが柔らかい(当たり前か)。が、それでもアレですよ。温まった時のシングル50に比べればやっぱ水飴みたいなもんですよ。
なら同じ硬さで冷えている時もそこまで柔らかくないのに浸透するなんておかしいやんけ!となる。

で、なんでこんな事言われる買って言うと多分化学合成油とかマルチグレードが何かってのが混同されているせいだと思う。
確かに全化学合成なるオイル界の圧倒的プリンスは、脅迫的なカリスマを身にまとい、磨き抜かれた細かさゆえ昔の紙ガスケットには浸透してしまってたらしい。それで漏れるってのはあったとかなかったとか。

でもそれってオイルの硬さやマルチやシングルとは全く別の話。関係ない。

んじゃ、化学合成ってどうなのよ?って話に戻るが、昔のガスケットをそのまま使って未だに現役で走っているショベルだのパンヘッドがどれぐらいいるのだろうか?多分ほとんどいないんじゃないかな?
だからガスケットから漏れるは心配の対象外。ただ、バルブステム部分がガバガバな上にステムシールが入っていない場合はここからオイルが侵入することがある。これだけは要注意だろう。

ん?GTMオイルよ、お前って確か半化学合成だろ?なら古いのに入れて大丈夫何かよ?

と、思う方もいるだろう。
でも、テスト車輌はほぼ全てショベル(因みにエボでもガンガン走っている)
そして大昔にオーバーホールされたパンヘッドでも問題なくどころかシングル50より全然好調になって今でも走り回っている状態。だから問題なし!

昔はマルチグレードがなかった

いや、あるにはあった。
が、マルチグーレドオイルも他の高級部品と同じように最初はレース専用として使われ始め超高級品だった。一般的に流通するようになったのは1970年代に入った頃であり、シングルグレードを差し置いて一般的なオイルへとのし上がったのは1980年代に入ってからである。

つまりナックルは当然として、パンやショベル時代の大半はマルチグレードオイルは一般的ではなかったのでこれが伝統として残っているってのがもう一つの理由だろう。

だがしかし、ちょっとうろ覚えだが1980年代に入るとショベルでも純正でマルチグレードを標準として扱っていることからもうかがえるように、マルチグレードオイルが一般的になってきてからはハーレーでも実は使用を推奨していたのである。

つまりショベルだからシングルグレードを使い続けるってのは全くもって明確な理由がない、古の慣習がそのまんま生き続けてているみたいなもんだろう。

こんなところだろう。つまり管理人はこの古いバイクにはマルチグレードオイルはダメの理由が全く説明できない。その逆ならこれぐらいかけるんだけどね。
でもずーっとみんなが使い続けてきたシングル50、ホントはまだ知らない理由があるのかもしれない。
誰か知ってたら教えてください。

補足:オイル屋って一体なんだ?

これも多分みんなが良くわからないところだと思うので、軽く補足しておく。

ここで言うオイル屋ってのは主にモーター(エンジンとかの事)関係のオイルを作っているところを指す。

このオイルが出来上がるまでには原油がベースになってくるので、実際にオイルが出来上がるまでに行われる工程とは・・・

  • 産油
  • 精製
  • 設計
  • 製造

となる。
もちろんこれを一括で自社でやる会社もある。そのへんは石油メジャーととかまぁいろんな言われ方をするが、世界的にとんでもないでかい企業となってくる。

んじゃ一般的なオイル屋さんって(例えば今回のフォルテックとか)どこの部分をやるのかね?といったらそれは設計の部分が主な仕事になってくる。

そらそーだ。産油でも精製するにも、そして製造するにもとんでも無い工場設備が必要になる。こんなものを自前でみんながポンポン持っているはずもなく、大体のオイル屋さんは、自社で設計した設計図を元に製造屋さんに委託して自社オイルとして販売をしているってのが普通だ。

オイル屋がバイクショップだとすると製造を担当する工場は内燃機屋みたいな関係になり、製造する際には各社が求める調合を元にオイルを作っていくのだろう。そしてここには当然守秘義務(どこの誰々がどんなオイルを作っているか製造元だからまるわかり。これを秘密にするのは信頼できる製造元として当然のことである。)もあるはずだ。
因みにこのオイルを製造する場所はちょっと不確かだけど日本に2社しかなく、日本で作られるモーターオイルはここらが出処となる。
たまに古い歴史のある製油所で作られたオイルでーみたいな説明を見ることがあるが、そらそーだろGTMオイルも一緒だよーって感じである。

オイルに限っては”どこで作られたか”は全く重要ではなく、"誰がどういうふうに設計したが"がめちゃくちゃ大事だと認識しておこう。

最後に

なんか文章が長くなった(オイルの開発も)が、いよいよオイル販売目前である。
ぶっちゃけ容量とかどこで売るとか価格とかはまだ漠然としている。が、価格については1Lあたり2,500~3,000円前後になるだろうと今のところ予想しているが、この円安と資源高(原油もそうなんだけど、入れ物が…)のお陰でちょっと前後すると予想するから、あくまでの今現在の予想価格と思ってください。

詳細については例によって2023Yokohama Hot Rod Custom Showのトッポジョージブースにて説明できるんで、もしなら遊びに来てくださーい。

ツーことで以上おわり!


プロアンサーでは久々に長文書いて指が折れそうなバイク屋から車屋まで質問に回答してくれるプロの方を募集中です!
お問い合わせからご連絡頂ければ返信しますんで、よければ登録してくださーい。

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