ケイヒンバタフライのセッティング

今までバタフライについて書いてきたやつ。

1はここ
2はこれ
3はこれ多いなくそ
んで最後はここからとなってます。

そもそもセッティングとはなんぞや?

最近バタフライ関連のワードでこのサイトにたどり着く人が多いので、過去にかいたバタフライ関連の記事を見返すとセッティングについて書くとか③で言ってるのに結局なんも書いていない事に気がついた。

今更なんで質問来たら考えるかとも思ったんだけど、書くって行った以上は書いたほうが良いかなと思うので、キャブのセッティングでも主にバタフライについて書きたいと思う。
ただし過去の経験を踏まえてちょっと辛口になると思う。みんなセッテイングって言葉に惑わされて大事な事を見落としてるケースが多いんだよね。

セッティング…その前に

セッテングとはキャブの上で使う場合その機能を使って燃調をいじることを指す。つまりジェットの交換やアイドルミクスチャーの調整などだ。
だがしかし、管理人の所にセッティングして~って持ち込まれた車両のうち6割程度はセッティング以外の原因で不調になっていた。

まずはセッティングの前にバタフライでよくある不調の原因を書いてく。
調子が出ないと思っている人はセッティングだぜ!と思う前にこの辺をチェックしてみよう。

スロー、及びメインエアジェットのつまり

何だそれ?と思った方は過去のブログを参考にされたし。
両方ともベンチュリーの入り口付近に鎮座しているためゴミが非常に入りやすい。しかもそれなりに穴が大きいもんだからいろんなゴミが入る。

症状はスローの場合、極めて燃料が薄くなった、もしくは全くエンジンがかからなくなるなどかなりでかい影響が出る傾向がある。大体は薄くなるような傾向があるが、詰まるゴミの大きさによっては(めんどくさい話だ)何をしても濃くなるって感じの症状が出ることもあり、コレだ!って言い切れる症状が無いのが混乱を招く原因となる。

対してメインエアジェットの場合は比較的わかりやすく、中開度域での吹き替えしやパワー感のなさって感じの出方をする傾向が強い。しかしこいつも完全に詰まるとまたわけわからん挙動を示す。

こんな感じでこの2つの不調は判別が非常に難しい。ただ、今まで絶好調だったのに突然セッティングが必要なんじゃと思えるような事があればここをまず疑って見よう。

E/Jオリジナルケイヒン バタフライ用ミクスチャースクリュー
チョークバルブの戻り不具合

普段であればメーターダッシュ上であったり(FL)モータートップマウント横(FX)にあるチョークバルブコントロール用のワイヤーを取り外した場合、このチョークバルブに絶対に閉じない何らかの措置を取る。
しかしこの措置が甘いと走っている間に動いたり、閉じたりするのである。

またこの閉じるのが効果が絶大で、多少、ほんのちょっとでも閉じると走行に悪影響を及ぼす。
どんな感じかっていうとガッツリ閉じてしまえば即効で走らなくなるのですぐに分かる。微妙な閉じだとなんとなくパワー感が薄れ、なぜかプラグが死ぬ。

バタフライを付けていてプラグを頻繁に変える羽目になっているようであればこのバルブを疑ってみても損はない。

加速ポンプからのおもらし

加速ポンプのなんていうんだろ?内部の吸い出されないようにするための弁がいかれて酔っ払った管理人のようににちょろちょろとガソリンが垂れ流しになる現象である。
チェック方法はここトッポジョージさんが回答しているので参考にしてほしい。

こうなるとハルン●ケアを飲んでも直らない。加速ポンプ部分を分解して徹底的に修理する必要がるので、素直にバイク屋さんに持っていこう。

症状としては何をしてもどんなふうにしても濃い!ってなる。また、エアクリが極端に汚れたり燃費の低下を招く。

エアクリーナーの汚れ、容量不足

汚れはなんとなく理解してもらえると思う。
汚ければ空気吸わないからね。んじゃ容量不足ってのはなんだっていうと極端に小さいクリーナーや経路が悪い物をつけてエアフローが極端に落ちる事である。

これ、ぶち回さないと結構気が付かないんだけど症状として低速域で走っている場合はほとんど体感できない。問題は高開度域でエアクリーナー付近でなんかモーモー(牛ではない。でもなんかも~っモーって感じの音なんだ!わかって!)いってアクセル開けても前に進まない。

んで、100キロ以内でプラグの突然死を招くことが多い。またこの症状は極端に抜けの悪いマフラーでも同様の結果を招く事が有るってのを覚えておこう。

中速ポートのつまり

ケイヒンバタフライの最大の特徴であり、ウイークポイントであるこの中速ポート、こいつが詰まると低開度から高開度付近まで万遍無く不調を起こす。
症状としては吹き替えし、またはそこまでいかないがギクシャク(一瞬火が飛ばなかったんじゃ…的な感じ)感やエアを吸ったような症状を引き起こす事がおおい。

3回目のブログでも書いたが、非常に見落としやすい場所にある上にそれほど重要な経路に見えない事も相まって詰まっていることに気が付かない事も有る。
こいつは空気が流れない構造のため、詰まる原因物質はガソリンから供給されることになる。
つーことでガソリンタンクをきれいにしておけばまずここが詰まる事は無いであろう。

スロージェットがCV用のがついている

これもよくあるトラブル?
なぜかインターネット上ではバタフライとCVのスロージェットは同じなる事が散見されるが、全くの別物、違うものなので注意しよう。

確かに見た目は非常によく似ていてつくことはつくが別物である。
知らずに着けていると、セッティングが出ないとかへんな挙動をするとか微妙におかしな事が起きる。

俺のはどっちがついているかわからなねーよ!!!
って人スロージェットを横からとった写真を質問の所から投稿されたし。

「CV!」「バタフライ!」ってだけの簡単な回答が即つくだろう。

大体こんな感じかな。
他にも当然であるが、エア吸いが原因だったなんて事もある。
あとは今まで絶好調でなんの不満もなかったのに気がついたらセッテイングが必要だと感じた場合も大体この辺が悪影響を及ぼしている事がおおい。
この辺を全てクリアしていよいよセッティングへと進もう。

バタフライのセッティング

じゃあ実際のセッティングの考え方を。
考え?そんなモンいらん!どんな時にどんな事すればいいかさっさと書けや!
と思う方もいるだろう。管理人もそう思うし、そうしたい。だがしかし千差万別の症状があるので一概にこれだ!って感じで書けないのである…。それぐらい実走行でセティング出すのは面倒だと思っていただきたい。

てことで、まずはバタフライの中で交換可能なジェット類と中速ポートがどのアクセル開度でどの程度のしごとをしているか完全な管理人のイメージで図にしてみた。ただしめちゃくちゃざっくりしてて全く正確じゃないんであくまでもイメージって事で!↓

…なんだこれ
まあいい。まず横軸がアクセル開度、縦軸が各ジェット類が受け持つ仕事量だと思っていただきたい。
青がスロージェット、緑が中速ポート、赤がメインジェットである。

そして非常に大事な事なんだけど、どのキャブでもなんでもジェット類が受け持つ仕事量はエンジン回転数や速度に依存するものじゃなくて90%アクセル開度に依存するってことをよ~く肝に命じておこう。
たとえば時速100キロで走っていたとする。この時にアクセル開度がおよそ1/4程度、所謂パーシャル状態での巡航中であった場合仕事をしているのはスロージェットと中速ポートとなるし、加速中でアクセル開度1/2以上であればメインジェットが仕事をする。
このように同じ速度でも受け持つジェットはスロットル開度に完全に依存する。なんで何キロで走っている時のセッティングが~~~的なのは全く参考にならないし、むしろセッティングの時は考えとして邪魔にしかならないのですっぱり忘れてしまおう。あくまでもスロットル開度のみが基準である。

スロージェットのセッティング

の前に加速ポンプを取っておこう。加速ポンプが有るとどこで何がの判断が非常に難しくなるからだ。
とり方は簡単。向かって右側にスロットルに連動して加速ポンプダイヤフラムを押すための棒が有ると思うけど、コレを外してしまうだけで加速ポンプを止める事ができるよ。外したらいよよセッティンである。

セオリー的にはまずスロージェットを決めていく。スロージェットはアイドリングから大体アクセル開度1/2程度までが仕事範囲で、街乗りから高速での巡航時などで一番多用するジェットとなる。
セッティングをする場合、とりあえず参考になるのは上部にあるアイドルミクスチャースクリューの開度である。

調子のいいところで開きすぎて入ればジェットが小さい、閉まりすぎでいる場合はジェットが大きいとざっくりとした判断はこれでくだせる事が多い。

後は実走行をして、なんとなく薄いのか濃いのかを判断する。もしプラグの焼けを参考にする場合(大体は参考にするだろう)はアクセル開度をメインジェットが仕事をするような開度に入れない、開けないってのが大事になるのでこれも覚えておこう。

後はセッティングに重要な判断材料として匂いがある。
この匂い、良い感じのセッティングだと無臭とかなんとなくいい匂いがする。濃ければ目に染みる、鼻に来るような刺激を伴い薄い場合は…なんてんだろ、機械が焼けたような匂い?がする。
こんな感じで五感を総動員して濃い、薄いを判断して行こう。

メインジェットのセッティング

メインジェットはアクセル開度おおよそ3/5から全開までの計量を受け持つ。またアクセル開度に関わらずスロットルの急な開閉時に一時的にガソリンを出す量を決めるという特性があるため、スロットルワークいかんではどこでも仕事を開始する働き者だと知っておこう。

セッティングでは主に仕事をバトンタッチされる開度1/2以上で走り続ける事…なんだけど、一体何キロ出るんだよ!て話なんで、上記の特性を生かしてある程度の目安をつけることができる。

スロットルの急な開閉はアイドリング時でも可能であるためそれを使ってある程度小さいか大きいかの判断はできるんだけど…結構経験値が高くないと難しい。
急開した時にどれぐらい遅れてエンジン回転数がついてくるかってのをなんとなく読み取るんだけど、それがまたすっげー短い。秒なんていかない程度の話なんでどーしてもやってみたいって人はチャレンジするべし!

ただし、加速する時にも体感することはできるんでこの際はしっかりと加速ポンプをつけてからセッティングに挑んでみよう。

あとは頑張ってぶち回して不満が出ない所まで煮詰めるしか無いんだけど、事故にだけは注意!

と、大体こんなだともう。書いててねやっぱりうまく伝えられないんですわ。
ほんとにセッティングは難しい。こんな時はこうだ!って言えると良いんだけど、やっててもまだ濃いのか薄いのか悩むからね。

ただしバタフライのセッティングなんてまだ簡単な方で有る。なんせ交換するジェットが2つしか無いからね。

FCRやCRなんでま~酷いもんである。参考までにこれらのキャブをセッティングしなければならない時に交換できる項目を上げてみよう。

  • スロージェット
  • スローエアジェット

    モデルによって無いときもある

  • メインジェット
  • メインエアジェット

    スローエアジェットと一緒

  • ニードルクリップステップ
  • ニードル長
  • ニードルテーパースタート
  • テーパーエンド
  • テーパースピード
  • テーパーが終わった後の太さ

とまぁざっくり10箇所ぐらいは考えてやらなきゃならない。本当はもっと沢山いじれるところがあったりするんだけどね。

対してバタフライはたったの2箇所である。

こりゃだめだ!こんなんできない!
って思ったら素直にバイク屋さんに持っていこう。ぶっちゃけそっちのほうが楽ですよっと。

ツー事で終わり!

ケイヒンバタフライ リビルドキット JAMES

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