1953FL エンジン始動方法
1953FLパンチョッパーに乗っている者です。
エンジン始動方法についての質問です。
キャブはリンカートM74Bです。
暖かい時:アクセル全閉、チョーク全開で2〜3空
チョーク全閉で本キックでかかります
寒い時:アクセル全閉、チョーク全開で3〜5空
チョーク全閉、アクセル半開くらい?で本キック
かかる時もあるけど、ほぼかからない
寒い時は非常に掛かりが悪いです。
かからない場合は、同じことを何回か繰り返してます。
そもそも、掛け方が悪い場合はご指摘が欲しいです。
また、正直アクセルの使い方がほぼ理解できてないです。
どのような時にどのくらい開けるべきなのかなど分かりません。
また、デスビ(手動)は基本始動時には触ってないです。
また、以前Eキャブがついたショベルを乗っており、ガス送りすぎた時はキーオフ、アクセル全開で空踏めばガスを抜けることを知っていたのでリンカートも同じと勝手に思っていて、空キックの時にアクセル全閉でしてます。これと間違ってるのでしょうか?
ご教示頂きたいです。
宜しくお願いします。
スポンサードリンク
キックでの始動方法ですね。過去にちょっとブログに書いていたりもしますが、改めて書いて見よ。
まず、どこが間違いとかはおいておきます。ケースバイケースなので・・・
で、まずはからキックってどんな作用があるのかを書いていってみます。
この良く言われるからキックについて、管理人は基本的にはアクセルを全開にしてやります。そもそもからキックの目的は以下に集約されると思っています。
- キャブのベンチュリー内にガソリンをフロート室から上げる
- 空気と燃料をシリンダー内に取り込む
- 汚い空気をシリンダーから追い出す
順を追って説明しますが、どの項目もアクセルは全開でやってると思ってください。
まずは1番。
これはチョークバルブがついているキャブ(今回のM74-Bとかのリンカートもそう)でやる方法で、エアクリがついていなくてキャブの空気の入口を手で塞ぐことができればどんなキャブでもできます。
まずはチョークバルブを全閉にした状態でアクセル全開でキックを踏みます。
この時なにが起こるかって言うと、キャブの入り口はチョークバルブによって塞がれていますので、アクセル全開でシリンダーからインテークバルブを介してキャブの入り口までツーツーなのに空気がすえねぇ!となります。
ただ猛烈にピストンが下がって気圧がベンチュリー内で下がるので、この負圧によって大気開放されたフロート室内からメインノズルを通ってガソリンが空気と一緒にベンチュリーにあがってくるんですね。
こうやって強制的にガソリンを濃くすることが可能となり、エンジンが冷えてガソリンが燃えづらいときでも質より量作戦となってエンジン始動が容易になります。
次に2番
これはチョークを閉じないでアクセル全開でキックすると起こります。
さっきはチョークバルブで通路を塞いでいましたが、今回はアクセル全開なので通路はガバガバ。これによって外気をストレートに吸い込めます。外気を吸い込む=豊富な酸素を取り込む=燃えやすい!です。
んで、3番は2番の副次効果ですが、これを狙ってからキックをすることがあります。
ここまですべてアクセル全開です。もしこれがアクセル全閉ならどうなるか?
まず、空気を吸うことができません。
もちろんアクセル閉じててもスローの通路とかわずかに開いているスロットルの隙間から空気を吸うことができます。ただ、アクセル全開の時と比べると微々たるもんです。
エンジンブレーキはなぜエンジンブレーキなのか?
これはスロットルを閉じて入る空気の量を減らす、でもエンジンは回るので排気をする。
空気ははいらん、でも出ていくを何回かやればシリンダー内は負圧・・・極端に言えば真空に近くなっていきます。この抵抗によりエンジンブレーキは作用するのですが、
これ、からキックの時にアクセルを閉じていても起こります。つまり、全閉状態でキックすると燃焼に必要な酸素がどんどん出ていって終わりです。
ケースにもよりますが、これはほとんどの場合マイナスに作用すると思ってください。
では管理人が普段やる74Bでの(他のリンカートでも一緒か)でのエンジンかけ方解説!
当然、キャブも点火も問題なしってのが前提条件で!
まずはエンジンがアチアチ状態の時。
スロットルを1/8程度の開度で固定。何があっても固定。エンジンがかかっても固定。これ重要。こんだけアクセル開いてればエンジンは普通に回転上がる。落ち着いたら戻す。このへんは慣れだな。
で、イグニッションON!キック!
基本これだけ。もしかからないならイグニッションOFF、上の3番目的でアクセル全開、チョークはノータッチで2~3回からキック、んで始動。
あちあちだから余計なガソリンはいらん。いるのはだいたいが新鮮な空気である。かからない場合はこの新鮮な空気が不足している事が多い。
次はコールドスタート。
まずはアクセル全開!チョークは全閉!ここから2~4回からキック!このからキックの回数は気温で適当に調整してくれ。通常まだバイク乗れっかなーぐらいの気温なら2回程度でいいとおもう。このへんは経験で。
これが終わったらまずはチョークを全開!んで、アクセルも全開!でからキックを2回ぐらい。これで新鮮ガソリンと空気をシリンダーに送り込む!
お次はチョークを全開から2~1ノッチ閉じて(くっそ寒い時は2、普通なら1程度ぐらいの感覚で)イグニッションON!当然アクセルは1/8程度開いて固定!
エンジン始動!
・・・こんなである。
後はエンジン始動時のスロットル!
これ、ちっとでもエンジンが目覚めるとガバガバアクセル開ける人いるけど、アレでエンジン止まるからね。あのエンジンかかったばっかのアクセルワークを信号待ちとかでやってみよう。どえらいことになるはず。場合によってはチンチンに温まったエンジンですら止まるんだけど、何故かみんな親の仇と言わんばかりにアクセル煽る傾向がある。
そんな事しなくても1/8とかもうちょいアクセル開いていれば自然にエンジンは吹け上がるので、なんなら完全にその開度に固定(リンカートのピアノ線引きならスロットルから完全手放しでOK)してキックして見よう!
まー、これで大体かかる。リンカートってアレで純正なんでキックでの始動性は数あるキャブの中でも1~2を争う優秀さです。
もえる!とか、燃費悪い!とか色々欠点はありますが、こと始動性についてはかなり優秀な部類だと思ってください。
ちと長くなったけど参考にしてください。