バックラッシュ との戦い--終章--

前回でいいのかな?一応ここ

バックラッシュをいい感じにするにはギヤの交換しかないってのがなんとなくわかったところで不治の病、異音病にかかったバイク屋が 70年以前のバックラッシュにどう立ち向かうかを書いてみる。

ギヤがないなら作ればいいじゃない!

前回ブログでも書いたが、正確なバックラッシュを取るためにはギヤを交換する以外術がない。
削ったりして合わせられないの?と思う方もいるだろうが、あまりにも小さい数値な上に増やさなければならないこともある。
もし削って合わせることができたとしても、その手間はおそらく新しく作ったほうが早いレベルのものになるだろう。

実は管理人も過去にこのバックラッシュ問題に対応するべくギヤの作成を考えたことがある。
管理人が考えたのは各数値がばっちり出ているギヤを量産してしまうことだったんだけど、この方法だと最低でもピニオン、カム、アイドラー、そしてサーキットギヤを作成せねばならず 見積もりを取ってその金額に諦めた経緯があった。

とことがトッポジョージは量産ではなく、各車両に合わせて単品でギヤを作成する方法でアプローチした。

どーやってギヤを単品で作っていくか

これがまた途方もない作業である。ほんと良くやるよ…

付いているギヤを元に測定、図面作成

取り付けるケースとギヤを使い正確なギヤサイズを測定していく。

この作業の前に取り付け位置がまっすぐになっているかは事前に確認しておく。もしまっすぐじゃない場合はバックラッシュつめてもどーにもならないので まっすぐ出しの作業を行う。

ダミーのギヤ作って更に現状確認

測定値を元にダミーになるギヤを製作。ダミーギヤを取り付けた後に最終的な数値を確認、実際のギヤに生かしてく。

ブランク作成開始

ブランクとは最終的な仕上げ前のおおざっぱな数字が出ている母体の事を言ったりする。

算出した数値を元にガチで作成を開始。材質はSCM435(クロムモリブデン鋼の一種だよ)なるおそらくギヤに最適な材質を使うらしい。

この後、バックラッシュを考慮したサイズで歯を切り入れ最終焼き入れを行い、んで研磨して更にサイズ修正を行い完成になるっぽい。

すげーなこの工程。

ギヤが刺さる棒も正直だすよ!

ここまでやっても肝心のギヤマウントがいい加減じゃマジでなんも意味がない。

せっかく苦労したギヤなんで、マウントもしっかり作り直す。

ケースを掘る

ケースの原点はクランクの軸にあるため、その軸に合わせてケースを加工していくよ。

また、へんな癖がついたケースやシャフトはつかいものにならないんで、こんな感じで癖を取るために軽くボーリングする必要があるときもある。

シャフトも作る!

削ったケースの穴に合わせてギヤを取り付けるシャフトも作るぜ!ほんとようやる…

シャフトをクランク軸に合わせてセンタリング

で、最後にシャフトをまっすぐ立てるためのセンタリング作業と。

このシャフトを正確に取り付けるのはかなり大事で、特に1955年以前ぐらいのケースだと古いのもあるが、鋳物の質がそれほど良くなく大体ここが曲がっている。

ギヤのバックラッシュまでは…と思っててもこの作業だけはO/Hついでにやったほうがいいと思う。

ここまでやってやっと70年以前、アーリーショベルから前のエンジンのバックラッシュ調整が完了する。

こんだけ正直だせれば音は静かになるし、間違いなくローフリクションにもなるからパワーや寿命は各段に向上するはず。

興味のある方は直接お店にいっても良しだし、2018年9月のNEW ORDERにも出店予定(予定です)なんで そこで聞いてもよし。でもねぇ、頑張って今作業しているみたいだけど神戸に間に合うかどうかはマジで不明。
あと本人が理想としてるのができるかどうかも本気でわからん。でもやるでしょ、うん。

ごめんなさい、


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