ブレーキのピストンが戻るためパーツを外した場合の挙動について
こんにちは。また教えてください。
バナナキャリパーで言えば、前期は軽圧入リングとスプリング、後期は角ゴムシールによりブレーキ解除後に少しだけピストンが戻るようになっていると思うのですが、もしこれらを付けないとどの様な症状が出るのでしょうか?
たまに、スプリングが付いていないのは引きずり対策か?みたいな記事を目にするのですが、スプリングを取るというのはどちらかというと引きずりを助長する方向のような・・・
何か考え方があれば教えていただきたいです。
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バナナの謎構造ですね。確かに前期のは現代的なブレーキに見慣れた後だと????となります。
ちょっと詳しく書いてみましょう。
長くなるかもしれません。いつものことだけど。
まずは前期。
書かれているように構成部品としては四角いゴムとピストンのみ(ダストシールはこの際省こう)と実にシンプルな部品構成ですが、この構成は昨今のバイクのブレーキキャリパーとして超絶一般的な構成です。
この四角いゴムがブレーキオイルをキャリパー本体とピストンの間から漏れるのを防ぎ、かつブレーキを踏んでちょっと出たピストンを戻す力となっています。
つまりこのゴムを取るとブレーキフルードジャジャ漏れです(笑)
そもそもディスクブレーキの場合、ブレーキローターとブレーキパッドのクリアランスは微々たるものです。つかなんならあたってます。
これはタイヤを浮かせて手で回してもわかりますし、エンジン切って下り坂なんかで音を聞いてもわかりますが、シャーシャー音がします。明らかにパッドとローターはブレーキをかけていない時当たるか当たらないか、いやなんならあたっている程度のクリアランスしかありません。
この程度のクリアランスですから、ゴムの反発程度で十分戻るだろ!ってのが今のキャリパーの基本となっています。
この機構の何が素晴らしいかって言うと、このクリアランスを自動で調整してくれるところです。
走っていると当然ブレーキパッドが減っていき、ピストンとのクリアランスがデカくなっていきます。
デカくなるとどうなるかって言うと、当然パッドを押すためにたくさんのピストンを動かさなくちゃならない=ブレーキレバーを大量に握らなきゃならないになりますので、ブレーキのタッチが悪くなり、最悪レバーを全部握ってもブレーキが効かないとかになります。
が、現在的なキャリパーですと、所詮ゴム程度の反発力しかありませんから、クリアランスがデカくなるとピストンが自動的にいっぱい出てきてこのクリアランスを適正な範囲で保ってくれます。
とまぁここまでが後期型バナナキャリパーを含む現代のディスクブレーキキャリパーの基本です。
では前期のバナナはどうなのか?
ここまでピストンが自動で前にせってくぜーと書いたとこからなんとなく想像がつくと思いますが、前期バナナは言わていいるとおりピストンは圧入となっています。
圧入部分の面積がが小さいのでそれほどきつくはないですが、それでも圧入です。しかも先にも書いたようにブレーキをかけたときのピストンの動きは微妙なものですから、前期の場合ブレーキをかけたときにピストンが動くってことはありません。
んじゃどこが動くんだっていうと、ピストンの一部が動くようになっています。
ちょっと文章での説明が難しいので、適当に書きますが、圧入で突っ張っている部分はそのまま、バネが挟まっている黒い部分とアルミの部分が動き、その動きがパッドへと行く感じです。
つまり前期のピストンは2ピースとなっており、そもそも根本的に後期ってか普通のキャリパーと動きが違います。ここを間違うと前期バナナが???となるはずです。
んじゃゴムもないのにどーやっておしたピストンが戻るんだっていうと例の板バネとなっています。
つまりこのバネを取ると多分引きずりはしないけど、ピストンの戻りが悪くなる可能性があり、最悪引きずるって感じでしょうか?なにせピストンを戻す力がないのですから。
これについては前期のピストンを完全に切断するなり何なりしてバラしたわけではないので、推測です。
ただし見た感じそんな構造ですし、あえてバネなんぞ取らなくても引きずることもないので気にしたこともありません。
そもそもブレーキが引きずる=ピストンが押しっぱなしになるです。この場合はレバーで押した圧力が開放されないせいで起きることが殆どで、原因の殆どはマスターシリンダーのリターンラインなどにあります。
キャリパー由来の引きずりとかになると物理的に結構行っていることがあるので、大幅な修理が必要になることが多いのです。つまりバネとっても引きずり対策になるの?ってのが個人的感想です。
で、前期キャリパーの嫌なところは後期と違い自動的に適正なクリアランスを保ってくれないところです…
パッドが減ってもピストンが圧入なため思った位置にきてくれないんですよ
なので、乗っているとどんどんブレーキレバーのストロークが増えていきます・・・
まぁあまりにも減ってくると油圧のちからで圧入の位置を押してくれるんですが、それでも構造上ばちっとした位置にはこないので、定期的にこのピストンを押し出してやる作業が必要になります。
これを知らないと
なんか俺のバイク、最近レバーのストローク多くね?
となります。
とまぁ、前期は構造がめんどくさく、その割にメンテナンスも必要。マウント位置もおかしいのでキャリパー本体が減ってきたりガタガタうるさかったりと問題が多いのが事実です。
ハーレーの場合後期のほうがいいと言えない部分が多いですが、バナナキャリパーの場合は明らかに後期型のほうが優れいていると言えるでしょう。