キャブとインジェクションってどっちが良いんだ

突然だが、よくある質問シリーズ第何段か忘れたがキャブとインジェクションどっちがいいんだ?にちょっと深く突っ込んで考えてみたい。

そもそもなんでこの題材を取り上げたのかって言うと、巷ではあくまで両者の比較なんだろうけどキャブのほうがセッティングが簡単、インジェクションは壊れず乗りやすい的な話をよく聞くからある。

この論調には大きく意義を唱えたい。

散々やってきたが、キャブのどの辺がセッティングが簡単なのか、いまいちってか全く理解できないのである。
この辺の理由を例によって個人的主観バリバリで書きなぐり、キャブとインジェクションの両者のいいところ悪いところを書いていってみようと思う。

なお、自称キャブフェチたる管理人によってかなりたくさんキャブについては書いてきた。
ここにリンクをはっていくとエライことになるんで、このページから適当ワードで検索していただきたい。

キャブレターの良いところ、悪いところ


キャブの良いところ

とにかく古い!歴史が長い!

キャブレターは内燃機と呼ばれるものが登場しのと時を同じくして誕生したといっても良いだろう。
ハーレーだったかどうか忘れたが、ごく初期の物はトマト缶にアルコールランプの芯を刺したようなものだったという話だ。

管理人が触ったキャブで一番古いものといえば1930年代後半のリンカートとなる。
この頃ですでに小さい穴を通して適切なガソリンを供給するというキャブの基本原理的は完成していたと言えるだろう。

このようにキャブレターは市販車に取り入れられてからざっくり100年程度内燃機の重要動作要素である【良い混合気】を作るために第一線を走り続けた。

こう考えるとキャブレター自体がもつ構造は明らかに枯れた技術に分類するものだろう。

枯れた技術ってのは時としてなによりも信頼性が高いものである。これは明らかにキャブを使うにあたっての大きなメリットだろう。

電気がいらない!

あくまでもインジェクションとの比較になるけど電気的な動作なしで、あの混合気を作っている。

後に書くインジェクションはそれはもうありとあらゆるセンサーを使い混合気を作っているってのに、ボディに開いた穴と穴の開いた部品の組み合わせだけでアレである。
よくよく考えるとすげー事だ。

これあが穴の芸術と言われる所以だろう。

この穴の芸術って言ってるの俺だけなんかなぁ…近年はあんまり聞かなくなったような気がする

キャブレーターの悪いところ

続いてキャブの悪いところ。あくまでもインジェクションとの比較になると思う。

セッティングがめんどくさい!

以前のブログにも書いたが、キャブのセッティングは面倒である。

この症状は濃いのか薄いのかを考え、アクセル開度から計量している部品がどこなのかを適切に導き出し、ジェット類の交換を進めていくのがキャブのセッティングの基本だが、このどこが濃いか薄いのかの結論を出すのがまず大変。

その後にジェット類の交換になるんだけど、これもまた面倒。
フロート開けてガソリン捨てるかタンクに戻すかどうかして、狭い所で工具突っ込んで外す。

これだけなら良いけど、走行後すぐとかだとエンジンだのマフラーだのが熱くてドライバー突っ込んで外す時につい手が触れて

あっちぃぃぃぃぃ!!!!!!うおおおおおおお!!!!

となることもしばしばだろう。これは結構みんな経験しているはずだ。ほんとに熱いし、下手すりゃやけどもする。
で、それで終わりじゃ無い。走ってきて結果が出ていなかったらまたやり直しとなる。場合によっては相当数この作業を繰り返す。

で、これがS&Sとかバタフライとかのジェット類が極端に少ないやつだったらまだいい。
ジェット類が多いやつなんてこれを繰り返すことが多くなるし、何よりも合うジェットがなければ買い足してかなければならない。
これがまたビミョーに財布に優しくない値段だったりするのが地味に痛いんである。そこでほくそ笑んでいる強制開閉式のキャブ諸君、おめーのニードルの事だ!

シール類が痛む。そしてオーバーフロー

シール類なんで当然ゴムなんだけど、これが痛む。傷んで漏れる。セッティングなんかで頻繁に取ったり外したりしてればそれはもう劣化していく。結果、ガソリンがジャージャーと漏れる。

また、オーバーフローも怖い。
このオーバーフロー、主な原因はガソリンタンク内からやってくるゴミ(主にタンクのサビだったりする)がキャブ内のフロートバルブを閉じるのをさまたげ、ガソリンがタンクにあるだけキャブレター内に流れ込む現象だが、このフロートバルブがまた華奢な構造なもんでちっさいゴミでもまーよく閉まらなくなる。

もちろんこれを防ぐためにタンクとキャブ間にフィルターを入れる(と、いうかそもそも大体のコックにそれ相応のフィルターがついている)んであるが、我がハーレーや小排気量のバイクの場合、ガソリンは重力落下によりキャブに行くためあまり目の細かいフィルターはつけることができない。
このためちょっとでもタンクが錆びるとオーバーフローしまくる結果となる。

ただし、燃料ポンプがついていてフィルターがバッチリなやつはこの限りでは無いと言っておく。

キャブレターの総評

これらの理由によりキャブには以下ののような特徴があるといっていいだろう。

  • 長い歴史が積み立ててきた絶対的信頼感とタフネスさ
  • 電気的要因がいらない=トラブルのネタがそれだけ少なくこれも信頼性につながる
  • 豊富な種類が有り、どんなバイクにもマッチング!好きなものを比較的安価で選択できる

ここまでは良いところ。続いて良くない所。


  • セッティングがむずかしい!めんどくさい!
  • ゴム類や可動部があるため定期的なメンテナンスが必要
  • オーバーフローが怖いため、タンクのコンディヨンはバッチリに保て!
  • 小さい穴が多く、一度詰まると取るのは大変!

ざっくりとこんなところだろう。
あくまでもインジェクションとの比較になる部分が強いが、穴と負圧と重力によってのみ混合気を作り出す素晴らしい構造ゆえに起きる問題点が多いと思っておこう。

インジェクションの良いところ、悪いところ

インジェクションの採用歴はそれほど古くなく、ハーレーや他の車種を見ても主部品として取り入れらたのは2000年代に入ってからだ。

これはバイクへの排ガス規制が世界的に適応されだし、最早キャブレターでは対応するのが大変!となったからである。
そんなインジェクション、バイクの気化器としてはキャブに比べると新参者といったところだが、採用されてからのこの10年程度でPCの性能の大幅なパワーアップも相まって今では十分な信頼性を確保しているといえるだろう。

んじゃ、また適当に悪いところと良い所をあくまでもキャブとの比較として書いていってみる。

インジェクションの良いところ

セッティングが楽!

これについては反論もあるだろう。このセッティングをするにあたってインジェクションをコントロールするなにがしかのシステムをバイクに取り付ける必要があるからだ。
だがしかし、インジェクションコントローラーさえつけてしまえばセッティング作業は極めて楽ちんになる。

キャブみたいにいちいちフロート外してガソリンジャバジャバ、やけどの心配もほとんど無く、部品の追加購入もいらない。

パソコンをバイクにプスッとつないで数値を指定していくだけでセッティング完了である。
数値は空燃比で指定する場合が多く、ってか大半のインジェクションコントローラーは空燃比で指定して指定するのもスロットル開度と回転数に対して指定してやることになるだろう。

この濃い、薄いから調整する場所が完全に数値化されているってのはキャブと比較すると圧倒的なアドバンテージであり、セッティングのやりやすさに直結する部分だろう。

あとこのパソコンつないでバイクのセッティングとかおっさん世代にしみればかっこええ…某少年漫画見てぇ…などどこっそり思っているのは内緒である。

ものすごく細かく調整できる!

キャブのようにアクセル開度でなんとなくどのジェットが仕事をするとはなっていないので、例えば同じアクセル開度でもアイドリングの時は空燃比を12:1、走っている時のエンブレ中なんかはもっと薄く…なんてことが簡単にできる。

これはキャブでは絶対にできない(過去にはこんなセッティングにするために構造を複雑化させたキャブも有った。)芸当をインジェクションであればサラッとこなすことができる。

しかも大体のコントローラーは同時に点火のタイミングも調整できるようになっており、この細かいセットアップが点火のタイミングにも適応できるのは嬉しい限りだ。

インジェクションの良いところはざっくりこんなだと思う。
続いて悪いところを書いていってみよう。

インジェクションの悪いところ

セッテイングまでのハードルが異常に高い

インジェクションが面倒と言われる所以はすべてこのせいだろう。
ともかくコントローラーを取り付けるのがめんどくさい。種類も多いし一体どれつければいいかわからんし、O2センサーとか知らねーし…って方も多いだろう。

キャブみたいにバラシてちっさい部品交換してはいOK!と行かないのでこれは面倒だと思う。

全部電気に頼っている

これもまた結構な問題で、インジェクションはすべて電気的な力を頼って緻密な計算をし、ガソリンを燃焼室に送り込む。

このためたくさんのセンサーと高性能の演算装置(めんどくさいんで、以降勝手にPCと省略)が必要となっている。
当然これらは精密電子機器と目されるようなものであり、そんなのを積むにはバイクってのは過酷な環境である。

しかもどれか一つでも壊れると計算ができなくなり、最悪走行不能になるってのも恐ろしい。
もちろんこれらは何重にも対策されおり、滅多なことでは起きないと思うがキャブやポイント点火なんかと比べると構造は恐ろしいほど電気的に高度であり、また正直わけがわからないブラックボックス状態となっているのも嫌がられる大きな理由だろう。

インジェクションの総評

てことでキャブに習って良いところ悪いところを箇条書きしてみよう。
良いところはこんな感じ。

  • セッティングがきめ細かくできてしかも楽ちん!
  • ついでに点火時期も同様に触れること多い!
  • キャブでは絶対に不可能だったとんでもない値を指定できる!

短いがこんなところだろうか?

では次に悪いところを上げてみよう

  • 良いところのセッテングを触れるまでのハードルが高すぎる
  • センサー多すぎ。どこか壊れたらさぁ大変
  • 電子機器なんで、電圧管理ってかバッテリーの取ったり外したりのときは気を使う
  • ついでに電圧にも気を使う

と、こんな感じになるのかな。

ともかくキャブのセッテングが楽でインジェクションは難しいって言われるのはひとえにインジェクションが新参者であり、コントローラーが分けわからんってのが主だった原因だと思う。
でも実際のセッティングはキャブのほうが難しいし、大変。その辺の理由はわかってもらえただろうか?わからんかな…

てことで多分次回はサンダーマックスを例にしてインジェクションの設定をどうしているのかを公開できるギリギリのところで書いて行く…と思う。
あんまり期待しないで待て!

と書いたが、珍しくちゃーんと続きを書いたもんね!
題名もそのままサンダーマックスの使いかただ!



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