前回のはここから。
てことで前回に引き続き、サンダーマックスの調整用ソフト、TMaxⅡ Tunerの説明を書いていこう。
前のブログでは確かマップを選択して展開した所で終了していたはずなので、その続きになるよ。
画面を確認してみよう!
マップを開いた直後だと恐らくこんな画面が表示されているだろう。
この画面がサンダーマックスを調整する時の基本画面となる。
真ん中にドーンっとグラフが有るが、基本はこんなグラフをいじって点火のタイミングや燃調を変えていくよ。
で、そのグラフはどうやって開くのかって言うと、左側にある「Tuning Maps」なる部分から選択してくことになる。
割と肝心な所なんで、各項目がどんなものかを説明していこう。
Tuning Maps treeの中身
てことで上から順番に説明をしていく。
- Front Cylinder FuelとRear
一番上にあるのと名前ですっごくいじりそうな場所だけど、基本は全くさわりません。
以前のブログで
ちょっと書いたオートチューンに関わる項目となっている。学習が進むとこのグラフが変わっていよ。
- idle Speed Rpm (Offset) vs Engine Temp
エンジンの温度が何度のときにどれぐらいでアイドリングさせるかって項目。
暖機運転のでどれぐらいの回転にするかってのが主な使い方になると思う。
Air Fuel RAtio curvesの中
- AFR Correction vs Engne TEmperature
使ったこと無いのでわかりません…なんだったけ…?
ってことで全く使わなくても行けるんで、なんかのおまけ程度に考えておこう。- AFR vs Engine TEmoerature
これはわかる!
ヘッド温度によって指定されいるAFR(Air fuel ratio = 空燃比 = ガソリン濃いのか薄いのかってこと)より割合で濃くするか薄くするかを決める場所。たとえばだけど、冷えている時は1割ぐらい濃くするか(チョーク的な考え)ー的な使い方をする。
- Fuel Correction vs Boost
過給器(ターボとかスパーチャージャーとか)をつけた時に使う項目。N/Aでは使わない。
Ignition Timing Mapsの中
- Timing vs Engine TEmperature
これも温度によって点火タイミングをある程度調整しましょうって項目。あんまり使う項目じゃないので無視でOK。
- Rear Timing vs TPS
フロントのタイミングに対してリアのタイミングを何度動かすかの設定。
あくまでのフロントが基準なので、それほどガンガン動かせるわけじゃないけど、ロングストロークのエンジンとかには必須項目となる。ノーマルではそれほど意識しなくても大丈夫でしょう。
- Timing vs BOOST
例によって対過給器対策の項目。普通ならまず触らなくていい。
- Timing vs Engine Speed
次に説明するIgnition vs TPSの一つ一つのグラフの一番右側の数値をグラグ化したもの。
各回転数のアクセルを全開にした数値が並んでいる。Ignition vs TPSのグラフを全体的に動かす程度にしか使わないだろう。
ここまではいろんな基本設定とかインジェクションならではの調整項目と行っていいだろう。次からの項目はいよいよセッティングで使う本項目となっていく。
ignitopn vs TPS
まずは開いた写真を見ていただきたい。
ignitopn vs TPS点火のタイミングを調整する項目だ。
0Rpmから始まって7936rpmまで256rpm刻みで31個ののグラフが並ぶ。
各グラフの横軸には64点の調整ポイントが並んでいる。すなわち点火のタイミングの調整ポイントはマップの数31×64=1.984点という膨大な調整箇所を持つ。
点火のタイミング?そんなの触る必要無いだろ!さっと燃調しろ!
と思う方もいるだろう。
だがしかし、点火時期は燃費からアイドリングの安定感、乗り心地からパワーに至るまで全ての項目に超絶直結するものすごい大事な調整箇所である。
確かにショベルやEVOあたりでは精々タイマーカバー内のポイントマウントプレートをちょっと回す程度しか調整する術がなかった。
このおかけでセッティングといえば燃調ばかりが取り上げられていたが、近年ので電子制御製品ではこの点火時期の調整が容易化した今はものすごく積極的にこの部分を調整するべきだろう。
管理人がインジェクションが好きなのは実は点火時期の自由度も一つの原因となっている。
ちなみにサンダーマックスの場合、どのような回転数、どのようなアクセル開度でも0度から50度までの調整が可能だ。
これだけ好き放題に触れればバシッと気持ちのいいタイミングを出せるだろう。
Air/Fuel-TPS@rpm
そしていよいよ燃調の項目である。
マップの基本的な構成はignition vs TPSと一緒で、0回転から256rpmごとにスロットルポジションによって空燃比を決めていく。
この空燃比とは空気:燃料の数値で、例えば14:1って書いてあれば空気が14に対してガソリンが1の割合ですよって意味になる。14の部分が小さくなれば濃く、大きくなれば薄くなるってのがなんとなくわかっていただけたどうか?
チューナーは様々な要件である程度決まっている理論空燃比を元に、走行環境の状態に応じてこの数値を設定していくことになる。これはキャブのジェッティングに当たる作業となる。
なに?ジェッティングみたい?インジェクションはオートでセッティングがでるんだろうが!
と、思う人もいるだろう、管理人もオートチューンって聞いたときはそうだと思った。
でもそんな完全なものは無く、以前のブログで説明したが、オートチューンはチューナーが設定したAFRに近づけてくれるための機能ってことを覚えておこう。
つまり、いくらベースのマップが有ったとしても個々のバイクに合わせるためにはインジェクションといえど、燃調作業が必要ってことになる。
ってことで、この膨大な点とガンガン戦ってみよう!
Module Configuration
チューニングマップの最後のModule Configurationには3つの項目がある。
その内のModule Service DataとDaiagnostic codesについてはサンダーマックスとパソコンが繋がっていないと画面が出てこないので、詳しい説明は割愛する。
ざっくり説明するとModule Service Dataはサンダーマックス内のデータ内容を確認したりする。
Daiagnostic codesはトラブルが有ったときに何がトラブルを起こしているかを一覧で表示してくれるものだ。一覧はトラブルコードで表示されるんだけど、コード番号は純正と同じものを使っているんで、検索するのにそれほど苦労はしないだろう。
てことで残りはBesic Settingsとなる。あんまり必要ではない項目は説明をすっ飛ばします。
Besic Settings
てことでまずはBesic Settingsをクリックしてみよう。今までとかなり毛色が違うが、いかにもって画面が出てくるはずだ。
これを左上から解説してみ…よう…。大変だがここまで書いたんだ!やりきってやる!
- Rev Limit
特に説明いらないかな。レッドゾーンのスタート値の設定。早い話がこの数値以上にエンジンは回らなくなるってだけ。
- Accel Fuel
キャブでいう加速ポンプの項目。数値を増やせば量が噴射量が多くなると思ってよろしい。
- Speedp Cal
スピードメーターを正確に動かすための数値を入れる場所。クリックするとこんな画面が出てくる。
ご覧のように大体の年式なった数値が書いてあるので、そのまんま入力しよう。以前はこの数字が日本とアメリカで違うとか様々な問題により公正しなきゃならないとか有ったけど、今そのまま入れても「ほぼ」大丈夫なはずだ。
- Idle Rpm
説明不要だろ。アイドリングだ!
- TAC Home Positon
アイドリング時のスロットルブレードの位置とかそんなのだったと思うけど、基本的にいじる場所ではないので、無視しといてOK
- Final Drive RatioとGear 6 Min tps
そのまんま日本語に直すと二次減速比となる。
しかし単位となっている「units」が何を表しているのかは謎。この2つが関係してくるのは6速イージゲーターの点灯だ。もしつかない場合はこの辺をいじっていくことになる。
- Initial Fuel PulseとCranking Fuel
コールドスタート時にどれぐらいガソリン出すか的なやつ。ここで書いた始動前の儀式をインジェクションもやっているとおもってください。
- Decel Fuel Cut
ものすげー噛み砕いていうと、エンブレの時に燃料をカットするかどうかのON/OFFの項目。
なんで燃料をカットするんだっていうと、アフターファイヤー対策である。
ONにするとこの項目から下の3つが意味を持つようになる。- Decel Fuel Cut Rpm LowとHigh
- 燃料カットを刷る回転数を決める項目。
HightとLowの間の回転数で燃料をカットすると思っておけばOK。 - Decel Post Fuel Enrichemer
これもまた説明が難しいんだけど、燃料カットをしている間にもちょっとだけインマニが湿る程度のガソリンを出しておくんだけど、その量の調整項目です…
燃料カットなのにそんなものいるの?って感じだが、これを出しておかないと次にアクセルを開けたときに結構なタイムラグが発生することがある。それを防げるものなので、いじるのは程々にしておこう。
- Engine temp alarm threshol
- エンジンのヘッドが何度になったら警告を発する(エンジンチェックランプが点灯)かを決める所。まぁいじる必要は無いと思う。
- Comp Release Delay
CVOとかについているデコンプの開放タイミングの変更項目。ほとんどいじる必要はないと思う。
- Comp Release ControlとKick Stand Enble
デコンプついてるか!キックスタンドスイッチついているか!!!!ってのを入れるだけ。ついていないのに有りって事になっているとエラーがでますぜ。
大体ここまでがサンダーマックスで調整刷るべき箇所のほとんどとなる。
この辺を参考にまずは自分好みのマップを作成していこう。ここまで読んで、興味もあってやってみたいと思っていたあなた!ひょっとしたら心がくじけていないか?
当然だと思う。だがしかし、だからこそ我々バイク屋が頑張ってこれらのセッティングを行っているのである。
てことで、今回はここまで!次回は作ったマップの入れ方とその他の注意点みたいなのを書くつもりです。
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