パンヘッド低回転時のカンカン音
お忙しいところ失礼いたします。
1951年のパンヘッドチョッパーに24年間ほど乗っている者です。
先日初めて経験する異音が発生しました。アイドリング時にFパンカバーあたりから断続的にまぁまぁな音で「カンカン」と鳴ります。まさにマイナスドライバーの先でパンカバーを叩くような音で、手を当ててみると音に合わせて振動を感じます。おそらくEx.側のようです。ロッカーアームがパンカバーに接触したりしなかったりしている?
発生状況としては外気温28℃ほどで250kmほど高速走行(渋滞なし)、停車時に気が付きました。ヒートがきっかけかと思い、しばらく停車後に再始動したら停車時での音は止まり、さらに走行後にはやはり停車時に再発しました。
それでも走行時は異音が増えた感じは無く、これまでと全く遜色なくよく走ります。
停車時もフル進角時は鳴らない、遅角させると鳴り始める=低回転時にのみ鳴るといった印象です。
キックでは圧縮は充分あり、突いている感じではありません。タペットはソリッドです。
気持ち悪いので乗るのはお休みにしてタペットローラーまわりの点検から原因追及を始めようと考えているのですが、もしこのようなご経験や考えられるご推察があればこれからの整備のヒントにさせていただければと思い質問させていただいた次第です。
追伸:これまで拝見するだけでしたが本当にこのサイト、管理人様の的確な考察には毎度感服しております。
これからも末永く続くことを願って止みません。
これからも末永く続くことを願って止みません。
ありがとうございます。
割とぬるーい感じで運営していますので、これからも頑張って続けていきたいと思います。
さてさて、症状ですが結構重症なんじゃねーかと思います。
経験上、
停車時もフル進角時は鳴らない、遅角させると鳴り始める=低回転時にのみ鳴る
ってのはちょっと無いんですが、回転を上げるとなる、もしくは回転を上げてそこから回転が落ちていく時になるってのは経験あります。
まずは腰下のカム室あたり。
この辺で異常な音を出す原因としてお察しのとうりタペットローラーとかありますが、これも回転にかかわらず音がでる傾向があります。
後はプッシュロットのクリアランス調整が全くさだまらないとか極端に調整が狂うとかそんな症状も出るので、今回は違うかな…こうなると条件(エンジン回転数とか)を選ばず音が出るはず。
と、まぁなかなかこれ!って言えないんですが、多分ヘッド側バルブの焼けや損傷、ロッカーアームの焼付きとかその辺かなーと思います。
症状が出たのが高速走行後って事ですし、外気温も高めとまぁバルブ周りに何らかのダメージが入ってもおかしくない環境ってのと、音が出たり出なかったり=回転数によっては正常?に近く動くことがあるってことなのでこの辺が怪しいかなと。
実際にこの手の異音が出た時はロッカーアームの動きが渋いとか焼けてたとかは結構ありました。
まず簡単なところでリフターやカムあたりを点検するのはありかと思いますが、ヘッドをバラすことも覚悟しておいてください。
特にパンヘッドの場合、バルブシートの厚みによるバルブ突き出し量に余裕がなく結構シビアだったりします。また、過去にアメリカで大流行したポートをエグいぐらい拡大する作業によりバルブシートの圧入しろがなくなり、バルブシートが脱落しちゃうなどのトラブルもありますので、24年間エンジンを開けていないとかならこのへんもまとめてチェックしてみるのがいいかと。
管理人様の的確な考察には毎度感服しております
ヤーメーテー
適当に書いているだけでそんなに褒められるようなもんじゃないですよ・・・
これほど早く回答がつくとは…まずは、方向性のご指南ありがとうございます!
ですよね~シートリングもクサいなーとは思ってました。
さすがにエンジンは過去数回あけており、3年ほど前にタペットまわりはブロックは純正鉄、リフターJIMSと奮発したのでそれが原因ではない気はしておるのですが。。
下から順にバルブ周りまで診る所存であけてみます。
わかり次第ここで報告いたします!わからなくても当然戻ってきます!
流石に何度か開けてるか
リフター周りはまず問題なさそうですな。つか、もしかして交換前はアルミリフターだったりしたんだろうか…
シートリング落ちですが、過去になんどかありまして、そのうちの1台が音がするからってバラしたらシートリングが落ちてたってのがありました。
どーもバルブの開閉に合わせてうまくハマって(笑)たようで、走行にはそれほど支障が無いというこんなところで妙な運は使いたくない的な現状もあったなぁ
パンチョッパーというおそらく整備性が世界最高峰のバイクの状態と、何やら詳しそうなのでアレですが、もうヘッド取っちゃったほうが早い。
ヘッド取って中身見てその後カムカバーと腰下のチェック。管理人なら作業手順こうなります。
ババっと取っちまいましょう
昨晩リフターまわりの分解点検しました。プッシュロッドアジャスタの調整が狂ってなかった時点でここではないなと思いつつ念の為、完璧な状態のローラーを現認しときました。(ブロックは以前も純正鉄でしたがガタガタだったので状態のいい純正に交換してます)
さて、ヘッドを外す準備万端ですがレンチが行方不明の手配中なので明日までおあずけです。
やはり!おっしゃるとおりおそらくシートリングな気がしますね。高回転では落ちるヒマがなく、回転が落ちたスキを狙ってたまにズレ落ち、バルブ戻りに叩かれる→音。という理屈なら解せますね。
いまの心配は、冷間であけたところで外観では正常に見えて、シートリングも動かないのではないかという想像です。
どう判断し、どう対策するか、いっそリングまわりをポンチで軽くカシメるかとか邪悪な考えも浮かんできたりしてますのでさとしてください。
パンチョッパーはほんと整備性いいですね!
まぢラブなので、はやく治してあげたいです。
ちなみに私はどアマチュアですがほとんど自分でやってきたので構造はある程度理解しているつもりです。
ひとまず、ヘッドをあけてからまた状況報告いたします!
毎度お世話になります。
昨晩Fヘッドを開けましたので報告です!
↑まず、疑いのシートリングは動いた形跡が無さそうに見えます…
↑明らかなのはIN側インナースプリングの折損でした!
あわせてスプリングカラー、バルブシールも変形しています。
↑幸い?バルブはステム、ガイドともに挿入感触ベースでは無事のようです。
IN側はロッカーアームの動きもスムーズでした。
さて、EX側ですが、初回ご指摘あったのようにロッカーアームも怪しいです。
IMG_3412.JPEGIMG_3417.JPEGIMG_3418.JPEG
↑見た目の焼付きは無く、動きはするけど渋いです。軸方向になぞるとわずかな段を感じますし、下ハウジングのオイル溜まりに少量の金属粉が確認できました。
↑こちらもバルブまわりは無事っぽいです。
異音の原因が
・IN側スプリング折損
・EX側ロッカーアームの渋さ
どちらかわかりませんが、この状態で自宅まで戻ってくれたPAN君が健気で仕方ありません。
さて、今後の流れですが
同様にRヘッドも点検、問題なければ
①バルブスプリングASSYとバルブシールを手配、FRとも全交換。
②状態のいい純正F-EX側ロッカーアームを探す、どうしても見つからなければ現状品を磨いて使ってみる。
のように考えておりますが、いかがでしょう!?
↑ちなみにカム周りはのぞいて動きを見ただけですが破損は無さそうですね。
カムはAだったかJだったか忘れました…
ひとまず報告は以上です。
仕事早いですねー。そしてなぜちゃんと写真が表示されない・・・
で、
下ハウジングのオイル溜まりに少量の金属粉
これが気にになるところ。おそらく写真の指に付いているのが金属片だと思いますが、デカくね?銀色じゃね?って感じです。ロッカーアームから発生したとはおもえねぇ…
こりゃ一度タペットすくr・・・は51パンには無かったので、カムカバーを開けて中にスラッジが溜まっているかどうか確認したほうがいいかもしれません。
仮に溜まっている場合は徹底的にスラッジの元を追求することになります。本来であればそんなスラッジは出ないんですよ。
そのへんも含めて今後ですが、管理人ならこーする!
- まず洗ってカーボン除去
- そのうえで各部クリアランスチェック!なんなら目視や手の感覚でOK!
- ロッカーアームは渋ければ渋さを取り除くためにホーニング。これでガバガバになるなら交換!もしくはガチ修理
- なんかおっかねぇからカムカバーも外す!同時に下側にスラッジが溜まっていないかチェック!あ、ブリーザーバルブも
となるかな?
後はバルブスプリング。音がしたのはこれが原因で間違いないんですが、問題はぶち折れた原因です。
前にも書きましたが、パンはパンカバーとこのバルブのクリアランスが非常に狭く、セット長がしっかりしていないと割と駄目ってのが一つ。
で、最近のブログにも書きましたが
https://pro-answer.com/adminblog/harley/shovel-pan-valve-spring/
そもそも設計がなって無いのとまともな社外品が無いってのが悩みどころです。見たところスプリングは汎用社外品なので、折れるのは必然だったかもしれません。実際によー折れるし。
とにかく一度バラて洗浄です。後はバルブスプリングの破片がしっかり揃っているかも大事です。
この破片がオイルのリターンラインに入り込んでシリンダー下まで到達。そこでピストンにぶち当たり、ピストンが砕けたなんてこともあるので、破片探しは大事です。
毎度ながら速攻かつ的確なプロアンサーありがとうございます。
どこの馬の骨かもわからない人間(実際何者でもありませんが…)に真摯に向き合ってくださるその奉仕の姿勢に敬服いたします。徳を積むとはこういうことかと
デカくね?銀色じゃね?って感じです。ロッカーアームから発生したとはおもえねぇ…
やっぱりそうですよね…見て見ぬふりをできないレベルですね!
今晩のメニューは破片パズルとカムカバー開帳からのスラッジ点検とします。
ブログも拝見しました。なんとタイムリーな…そして理論と思想も素晴らしい。
私でよければ初期購入者にしていただけませんか。だいたい週末になると300~600kmほどは走るので実験台としては丁度いいと思います笑
また状況報告します。いいタイミングで梅雨入りしそうなのでしっかり修理に向き合いたいと思います。
どこの馬の骨かもわからない人間(実際何者でもありませんが…)
確かにどこの誰かはこんな形式のサイトなのでわかりませんが、すくなくとも同じパンチョッパーを乗り倒して自分で修理しよー!なんて猛者はそうそういるもんじゃないですよ。
24年間、オーナーにこき使われ、大事にされ、共に歳を取ったよりにもよってチョッパー(ぶった切ってカスタムされたバイク)は流行り廃りに流されないかっこよさがあるんですよ。
エージングや当時の純正パーツをゴテゴテつけて作る古さじゃない、古き良きバイク乗りらしくオーナーと共に歳を取ったバイク(とそのオーナー)はメカニックから見るとどんなカスタムより素晴らしく、素直にかっこええと思います。
バルブスプリングは使用上の条件がありまして、そのへんがクリアできそうならぜひテストをお願いしたいです。
条件については今時間があるときは次のブログで書きますので、ブログアップ次第相談させてください。
なんとまぁ目頭も胸もアツくなるコメント、感動しました。
自分で言うのも何ですが、永く乗っている人はお互い見たらすぐわかりますよね。
私自身、自分でやるのはメカが好きってのもありますが、やっぱ自分で乗って音を聞いているバイクは自分が一番わかっている(わかってやりたいと思っているか)。バイク屋さんも経験値違えど同じ人間、だったら自分でやってみよーってとこかなと。実際おもしろいし。
さて、続報です。カムカバーから
↑1m㎡以内の箔のようなカスは数点あるかなーって感じで塊や粉のようなものはありませんでした!
↑指やマグネットピックを突っ込みましたが何も付かなくてよかったです。
↑ついでに、カムはJでした、R-EXカム山に虫食いあり(肉盛り研磨しようかな)
↑そこのローラーはまだ無事ぽいです
↑ブッシュ類もまぁいい感じ
次に、問題のF-INの折損スプリングパズルですが
↑3分割になっただけで細かい破片にはなってなさそうです!
(破断部が気持ちよくピッタリとは合わない気がするが)
ただ、ご覧のようにアッパーカラーが結構な変形をしており
↑おそらくその削れたスラッジがロワカラー下に溜まってました。
幸いオイルにのってEX側に流れている様子はないようです(車体が8"オーバー前上がりのおかげもあってか)
では昨日送った↓
F-EXロッカーハウジングのこのスラッジは何なのか??という話になりますが、ここから入念かつ慎重にに洗浄を開始しながら対話して診ていきたいと思います。
バルブスプリングの件、ご検討いただきありがとうございます!是非お願いしたく、条件に合いますように!
写真が出ませんねぇ。普通にPCから書き込んで、昨日と違い改行しながら置いたのですが…
あとメニューとしてブリーザー抜くの忘れてました!また見ときます。
なんで写真でないんだろ・・・
一昨日テストしたらちゃんと出たんだけどなー
虫食いのカム山はR-EXでなくINの間違いでした