4速ミッションのオイル漏れが治らない
管理人様
先日シフターフォークゲージの質問をさせて頂いた際はありがとうございました。
お陰様で、そ〜っとトップカバーを開け閉めしてクロスミッションへの入れ替えができました。
ですが、感動して乗っていたのも束の間、いつものオイル漏れです。
83年のFLHでロータリートップ後期です。
各エンドプレイ確認をし、ギアセットとメインシャフトをアンドリュースで新調(メインのブッシュは圧入済み)しています。
メインドライブの大きいベアリングのみ交換が上手く行かず、メインドライブは依然スラスト方向に動いてます。
シャフトの上下のガタはほぼないです。
ベアリングを油圧で慎重に圧入してもメインドライブギアの動きが渋いです。ケースから外してベアリングに通すとスルスル回り、また圧入すると、の繰り返しで、やむ無く既存流用です•••
(2個ともイースタンのニ流品?)
メインのシール2種はJames、スペーサーはサンダンスさんのリークレス(新調ではなく継続使用)を使用し、ドライブギアのスプラインをシリコンで埋めて組みましたが、1日で直径5cm以上のオイル跡ができる始末です。
メインシャフトの小さいシールは生きていて、スプロケ(プーリー)の表側は乾いています。
大きいシールの外周はシリコンで埋めており、シール外周部の漏れやシールの外れはないのですが、シールリップやスプラインからはやはり滲んできます。
リークレススペーサーは少し傷があるので交換してみようと思います。
そこで質問なのですが(前置きが長くて申し訳ありません)、
(1)スペーサー奥の上部の穴はやはり埋めたらダメでしょうか?
上下に穴のある年式ではなく、上のみにあるようです(正常ですよね??)。
上下の穴の場合、埋めたらダメなのは良く聞きます。
メインドライブギアの回転でかき上げられたオイルがスペーサー潤滑用なのか盛大に上から出てきます。
一応シール裏で止めてるとは言え、リップやスプラインに流れていそうです。
(2)分割のスペーサーの奥側(ツバ付きの薄い方)の外周をシリコンで固めてしまうのもNGまたは意味がないでしょうか?
(ベアリングにシリコンが付着しないように)
ミッションオイルは85w140と硬め、オイル量も500cc程度にしていますが、何だかお手上げです( ; ; )
上記の対策の可否と、他にどんな対策が考えられるでしょうか??
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長くなったので分けます。
上記のように後期型の4速ミッションはコストカットによるてきとーな作りと4速ミッションが元から持つ構造的欠陥という2つの業苦を背負っています。
ちなみに管理人は●茎、短●小、足が臭いの三重苦です。
ぶっちゃけ後期ミッションのオイル漏れ修理は超ムズイ。
前期は数値を詰める方法があるので、それさえやればまず漏れません。ケースの穴埋め?リークレススペーサー?別にいらないです。きっちり組めばまぁ漏れない。
シリコン系の液体ガスケットや高真空オイルコンパウンドとか、シール付きのナットとかリークレスシリーズなんかも使いましたが、クリアランスといい加減なミッションケースの穴達と付き合っていけば漏れない(いや、失敗してだらだら出るときもたくさんあるけど)
んじゃどうやって後期型ミッションのメンドラのガバガバを直すか?
メインドライブギヤを支えているのは・・・
- ケースベアリング
- メインシャフト
- メインシャフトのキック側ベアリング
となります。
ただし、後期型ミッションではケースベアリングがクリアランスを押させる事ができない程度の信頼性しか無いので、極端な言い方ですがガタ自体はメインシャフトのみで支えているものだと思ってください。
こうなると大事になるのがメンドラの中にあるブッシュです。
このブッシュ、アンドリューズだろうと他のメーカーだろうと新品についているものはみんなゆるゆるです。超ゆるゆる。
まずはこのブッシュの交換です。古いメンドラだろうが新品だろうがまずはこいつの交換。
専用の工具で抜き取ってここ最近はキブルホワイト製のブッシュを圧入。
その後、アジャスタブルリーマーで-0.01mm~0ぐらいのサイズで掘り上げ、ホーニングマシン等を使い適切なクリアランスまで広げて組む、となります。
もちろんメインシャフトのサイズに合わせてやります。こいつはほぼ誤差が無いですが、一応組むシャフトに合わせてクリアランスを加工します。
ちょっと長くなりましたが以上です。
このメンドラオイル漏れ問題、よく聞かれますし、リークレススペーサーの性能が独り歩きしているのでこの場を借りて長く書いてみました。
要するにやることはクリアランスを詰める、これだけなんですが、その工程が難しい。大量の測定器具と加工機械が必要となります。
異常、参考に・・・なるか?
沼にハマっていますねー
現状はギヤ類(メインドライブギヤを含む)とメインシャフトが新品、メインシャフトのキック側ベアリングは交換したものの、メンドラケースベアリングはなんだかしぶすぎて交換するのやめた!
って感じですかね?
まずサンダンス製のリークレススペーサーですが、これ、そのそも構造上のオイルが漏れやすい(決して絶対い漏れる部分ではない)部分、スペーサーとメンドラの隙間をなんとかしよーぜー!ってものでして、オイル漏れに対しては万全ではありません。
名前のせいかこれ入れればオイル漏れなおんだろ!って感じに取られていますが、決してそんなことはなくあくまでも補助だと思ってください。
他にも似たようなコンセプトの製品が海外とかでも出ていますが、基本は同じです。
過信せずおまじない程度のものだと思っておきましょう。
次にミッションケースの穴。
これ、埋める人いるんですか?初めて聞いた…
今までやったこと無いですねー。つーのは下の穴はオイルのリターンラインみたいなもんだと思っています。後は上の穴ですがなんであいてるかわからん。あれはいらないかもしれません。
いずれにしてもメンドラとベアリングの隙間からだらだら出てくるので別に埋めてもあまり効果無いんじゃないかと思っています。
で、
ベアリングを油圧で慎重に圧入してもメインドライブギアの動きが渋い
これですが、たまーにあるんですよね。後期型のケージタイプベアリングは圧入すると結構縮みます。
当然ベアリングがう●んこだった可能性もありますが、ケースの穴が小さすぎ!って事が特に後期型になるとあるので、多分こっちかな…いや、ひょっとしたらアンドリューズのメンドラがでかいってのもあるかもしれません。
ちなみにイースタン製のベアリングってことですが、多分殆どがmede in Chinaのはずです。その昔はなんだかひでーのが届くこともありましたが、今現在は超絶技術が上がったのか問題ないものが多いと思いますので、多分ケースが小さいんじゃないかと。
これについてはベアリングの外径とケース内径を測ればわかるんですが、今までついていたベエリングで問題ないならまぁいいでしょう。
バラして組んでわかったかと思いますが、後期型メンドラベアリングはとにかくルーズ。ベアリングとケース、メンドラの精度が出ていて初めて成り立つ構造ですが、残念ながらそれは望むべくものでもなく結果はスラストガバガバ、クリアランスガバガバだってのがわかってもらえたかと思います。
このガバガバがスラスト方向はともかくとして、それ以外の方向のガタがオイル漏れの原因に主原因にになるんですね。
だってあんな薄っぺらいシールリップを押す力が働くもんですから、内側からリップを押すんですよ。んで、押されたら当然反対側に隙間ができてオイルが漏れる。
これが4速ミッションのメインドライブギヤからオイルが漏れる主原因だと思ってください。
ちょっとまとめます。
メンドラ付近からオイルが漏れる原因は
- そもそも構造的欠点がある
- うっすいリップに大きな振れ幅でリップ押せ押せで隙間ができる
- 後期型に至っては②を解消するのが難しい
って感じでしょう。
早速の返信ありがとうございます。
全てが参考になりますし、勉強になります。ベアリングのクオリティについての話も大変興味深いです。
リークレスが100%ではないのは以前にも仰ってましたがより理解できました。シールの薄いリップをドライブギアが押すのも「確かに」と腑に落ちました。
ちなみに私も管理人さんと同じ三重苦です。そっちは今更なので諦めはつくのですが(笑)
アジャスタブルリーマー、ホーニングと聞くとプロの加工精度が必須になってきそうです。
メインシャフトやスプロケかは見てクラッチ側が問題ないのは幸いとして、メンドラ側をどうするか•••もうドライブギアやベアリングからの漏れは諦めるのがよさそうな状況ですね。
あとは、どうせベアリング周りから沁み出てスペーサーが潤滑されるなら、シール奥でドバドバ流出しているであろうあの穴をいっそのこと埋めてしまおうかと思います。
ちなみにあの穴はやはり上にしかなく、リターン用の穴はないです(もしかしてケースが割れて穴になってる??)。
スプロケから見てメンドラ側での漏れということであれば、これでダメなら中古のミッションケースを手に入れてベアリング周りからやり直すしかないでしょうかね?
クロスギアなんか買ってる場合じゃなかった(>_<)
いやいや、割れているとかじゃなければケース交換なんて稀ですよ。4速ミッションの場合クロスギヤはいい選択だと思います。2速と3速メェ・・・離れ過ぎなんだよ
メンドラの加工ですが、正直もうバイク屋のやる領分じゃないんじゃね?と思います。加工屋さんの仕事ですが、頼むのめんどくさいのでやってますって感じ。
で、ケースの穴ですが年式によっては下にあったり上にあったり両方あったりするのかな?
ミッションオイルって走っている(ミッションが回っている)間はギヤにかきあげられて猛烈に油面が下がります。ほとんど下に無いぐらい。
おそらくこの間に下に穴があるやつはケース内にオイルがもどっていってるのかな?
ただ下に穴がない場合って、ベアリングからしかオイル帰らないからずーっとそこに溜まっているんでしょう。これも漏れやすい原因なのかなー
ここからは推測ですが、なぜ下の穴がなくなったのか?
4速ミッションはその設計が非常に古く、1936年とかになります。で、この頃のハーレーって停車はキックスタンド、お家とかで長期間止めるときはセンタースタンド、つまり車両をまっすぐにして止める設計でした。
ただあんなスタンド毎日使うのいくらムキムキアメリカ人といえど面倒だったのでしょう。ましてやショベルとかになって車両がデカく重くなってくると尚更です。こうしてセンタースタンドの出番は減っていきます。
サイドスタンドは当然ながら左にバイクが傾きますが、この時ミッションオイルも左に傾きます。
そうすると左側の油面が上がり、あの下の穴から麺ドラ方面にオイルが流れてオイル漏れのさらなる原因になる・・・
そう考えてなくしたのかもしれません。
でも結果として貯まる一方のオイルが漏れるといういかにもハーレーらしい悪循環が起きていたのかなぁ。
ともかくオイル漏れは直せるはずです。少量なら諦めも着くでしょうがたくさん漏れていると床は汚れるわ、走っているときに漏れればチェーンに付いて飛び散るわと汚いことこの上ない。
もう一度どこから漏れているか確認してみてください。
カウンターシャフトホール、プライマリーマウントスタッド、シフターゲージホール、ミッションマウントスタッド。
ざっくり左側クラッチ側だけでもこれだけ漏れる場所があります。
ひょっとしたらこのへんから漏れているかもしれません。
もうひと頑張りしてみましょう!
朝早くからありがとうございます。
スタンドにもそのような歴史があったのですね。とてもタメになります(^^)
ご指摘の、
・カウンターシャフト
・シフターフォークのシャフト
(上記2本はOリング交換済みです)
・インナープライマリーに入るスタッド
から、漏れや滲みはなかったです。
また、マウント用の下向きのスタッドは一旦抜いてからネジ溝にロックタイト赤&根元に液ガスを塗ってあります。現状も滲みはなさそうです。
試しにドリルのチャックに1/2DRのアダプターとソケットを付けてメインシャフトナットを回してみたところ、上記シャフトやスタッド周りからの漏れはありませんでした。
シールのリップからは少しずつ滲んでいて、シールを取ったあとは例の穴からドボドボ出てきます。
乗らないで駐めているだけで毎日オイルが垂れ続け、二次側ベルトを伝ってリヤタイヤ横にもオイル溜まりができてしまっています。
スタンドのお話しを振り返ると、上にしか穴がない場合、穴の高さからして、駐車している間には垂れてこなそうですね。
駐車時にはメインのベアリング部から漏れる→リップとスペーサーの隙間→スプロケを伝ってベルトへ、という流れで、走行時はあの穴やベアリングの隙間から出て来たのがシールリップから出てくる、の流れっぽいですね。
近日届くので傷のないスペーサーを試して、ダメなら自己責任で穴を塞いでやろうかと思います。
余計かもしれませんが、もう少し素人なりにあがいてみてご相談させて頂きます!