その1
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調べたらショベル、パンのバルブスプリングが結構やばかった
はぁぁ・・・いいバルブスプリングねーなー。いっそ作っちまうかぁ という、いつもの適当な思いつきから調べて…
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さて、前回はバルブスプリングの仕事と強すぎても弱すぎてもだめ!!ってのを説明してみた。
弱ければ圧縮は抜け、バルブはジャンプしてエンジンにダメージを与えるし、強ければ各部を猛烈に摩耗させた上にパワーまで食っておまけに油圧ユニットの油圧が抜けて音出したりとともかく強すぎても弱すぎてもだめっていう結構めんどくさいものだというのが理解していただけただろうか?
んじゃ管理人はなぜバルブスプリングを作ろうと思ったのか?一体ハーレー純正や現在売っている社外品のバルブスプリングの何が不満なのかを書いていって見よう。
ここがだめだよ!社外バルブスプリング!
まずは社外品から。
まずバルブスプリングの場合、社外品は大きく分けて2つに分類される。それは高い誰もが知っている一流メーカー品と、そうじゃないどこぞの安物とに大きく2分されているといっていいだろう。こいつらは他のハーレー部品と違い、この2つに分けてもいいぐらい明確な特徴があるのでそれぞれの特徴を書いていって見よう。
一応付け加えておくが、社外品について書くことはあくまでも今現在の管理人の拙い知識から放り出したどーしょうもない基準であり、参考程度に読んでくれば幸いである。
- お高いシリーズ高級品の特徴
だれもが聞いたことのあるあのメーカーやこのメーカー、あんなとことやこんなところまで色々選べる高級品シリーズ。
主な産出国(?)は当然カナダを含む北米産が多く、その品質はJISも逃げ出す鬼仕様。ばらつき(長さやセット時の重さなどね)も少なく非常に優秀である。だがしかしとんでもねー欠点が総じてある。それは
くっっっっっっっそ強い傾向がる!!!
とにかく強い!まー強いんである。
バルブスプリング?そんなの強ければ強いほどジャンプしなくていいでしょHAHAHAHAHAHAHA!!!!!
と、思って作っているのかどうかわからん。またはアメリカ界隈では絶対的にハイカムが装着されサージング防止に圧倒的マッスルバルブスプリングが支持されているのかもしれん。
だがしかし!ノーマル状態で乗り、且つ昨今流行りの某バルブはノーマルに対してかなり軽いという特徴もありあんな強いバネはいらんのである!- お手軽汎用品の特徴
高級品が超マッスル兄貴仕様ならあれか、安いのは弱すぎんだろ?
と、先読みした諸兄。甘いんである。安物(と入ってもここ最近の円安とかで決して安いとは言えなくなってきているが)についてはそもそもバルブスプリング、いや、もうバネとして駄目ってことが結構ある。
まずこの手の安物を使おうと思い、管理人の手元に届いたとしよう。そしたら何をするか?まずは適当な台に4つ並べて横から眺める。計測機器?そんものはいらない。まずは眺めるんである。このときまずは長さ(縮めていない状態のバネの長さを自由長という)を見る。というより比較する。・・・まぁ当然バラバラである。でもこれはまだいい。くっつけた時にテンションが均一になれば許せる。
そしてもう一度見てみるすると、斜めにそびえ立つ不届きな輩が何本かいたりするのである!もうね、ピサの斜塔なんてもんじゃない。完全に傾きバネとしての体を成していないこれらのものをもはやスプリングと呼ぶのもおこがましい限りである。
当然、セット長にしたときの重さなんかもまちまちで使えないものが多い(決してすべてが駄目なわけじゃない)ので非常に注文しずらいといえるだろう。
いかがだろうか?
このようにして現在売っているバルブスプリングは強いか駄目かの選択になることが多く、結構選びづらい。
というよりノーマルのショベルやパンに対して適切な社外品ってないのかな?といったところである。
また後述する80%の不文律をクリアできない可能性のものが安物に限って(高級品達は大丈夫だと思うが調べてない)は大半がこれに該当しており、非常に危険だったりもする。ちなみにこれは純正も該当する。
次はそもそもパンやショベルのバルブスプリングって設計的にどうなんだって話をしていこう。
80%の不文律
ああん?そんなもんいいかバネの話しろや!
と、思う方もいるだろう。しかしこれからはバネっていうビヨンビヨンの核心をつく話である。
そもそもバネ的な作用をするものは凄まじく大昔から人類は作り出しており、現代の日常でも極めてありふれたどころではなく、お世話にならない日は無いだろうというものである。
あなたは朝目覚めたとする。目覚まし時計かスマホのアラームかはわからないがこれらのきっかけで起きたとしよう。
これらの機器には必ずボタンが有り、このボタンを押し返す力はバネである。
飯食ってく●していざ家から出発!
ドアの開閉なんかもバネである。車通勤かバスかはたまた電車か、これらは当然バネまみれ。仕事場で握るサンダーのレバーが戻るものバネ。キーボードのボタンもバネ。
と、 どこ見ても触ってもとにかく人間の周りにはばねばねばねスプリングである。
このように日常生活では切っても切れない存在のスプリング。当然必要に応じてありとあらゆる材質が研究されて、また設計もそれ専用の枯れまくったプログラムがあったりする。
要するにかなり完璧に理論が出来上がっているのである。
話を戻そう。
題名の80%というのはスプリングが正常に作用し続けるために守らなければ行けない最低限の指標である。
一体どんな数値かというと
スプリングを目一杯縮めた長さを全開の100とするなら20の余力を残して80%以内で縮めてつかおうね!そうじゃないとぶっ壊れんぞ!
というのが管理人が勝手に呼んでいるスプリングの80%不文律である。
仮にこの80%をオーバーした設計を先程書いたプログラムに入れてお伺いを立てて見ると、
寿命測定付加、なんなら5万回も持たない。すぐヘタれる。へたすれば破損する!と結構やばい警告が出る。
仮に設計上問題がない場合は開閉回数10,000,000以上いけるぜ!(言わなくてもわかると思うがこんなにフランクじゃないよ)となるので、いかに80%を超えるのが悪いのかわかるだろう。
察しが良い方ならもうわかっているかと思うが、ノーマルのパンとショベルのバルブスプリングのアウターはこの80%を超えていたりする。
んじゃ試しにその辺に転がっていた社外品の中古スプリングを計ってみると・・・
- アウタースプリング
潰したときの長さ(100%)=25.5mm マニュアル上のバルブオープン時の長さ=24.9mm 24.9mm/25.5mm≒98%
- インナースプリング
潰したときの長さ(100%)=23mm マニュアル上のバルブオープン時の長さ=20.2mm 20.2mm/23mm≒88%
いかがだろうか?もクソもない。ぶっちゃけスプリング設計者が青ざめるぐらいの数値である。
特にアウターのでかいバネについてはもう殆ど線と線が当たっているレベル。試しによく見てみると
(写ってるとおもう・・・)
わかるだろうか?バネの線部分うっすらと白く筋が見えると思うが、これがバネとバネが接触して潰れた跡である。
更にこのバルブスプリングを構成する通称名オイルテンパー線は変形や傷に弱く、仮に傷等が付いた場合速攻で破断するという特徴があるらしい。
これを聞いて
はー!だからバルブスプリングってよく折れているのかー!
と、妙に納得した管理人だがこれ、結構やばいと思う。
で、次では現在管理人が設計、テストしているバルブスプリングの概要を書きたいと思う。
今回はここまで!
その3に続く・・・
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