ハーレーの ケイヒンバタフライ --その3--

バタフライの構造と欠点

1はここから

2はこっち

分割しすぎてすいません…。一気に書きたいけど事情によりできないことが多いので小出しになってしまってます。

ベンチュリー内の続き

前回ではチョークバルブまで書いたので、次はベンチュリーの始まり部分についている二つのエアジェットと加速ポンプノズルから。

加速ポンプノズル

フロートにあるダイヤフラムがアクセルに連動して押されるとこのノズルからガソリンが出てくる。
名前の通り加速時などアクセルの開けに連動してガソリンを補助的にだす。

これも一度キャブを腐らせるとよく詰まる。ノズルは圧入されているので引っこ抜くことが可能なので、詰まったら抜いて掃除をする。
その際はノズルの下にあるちいさな三角柱の部品をなくさないように。ちなみにフロートを単体にして振った際にカチャカチャ音がするのはこの三角柱が 動いている音。動くの正常なので、もし音がしなかったらごみとかが噛んで動かなくなっているので、その際も掃除が必要。

でも引っこ抜くのもいれるのも結構大変なんで、ダメそうならバイク屋に相談したほうがいいよ。

メインエアジェット

ジェットって書くと交換可能っぽいけど、交換はできない。
ベンチュリー入口の真ん中くらいに空いている穴で、メインジェットノズルまでつながおり、ここから空気を取り入れメインジェットから計量させるガソリン に空気をまぜ、霧化させるのに一躍かっている。
このジェットを持たず、単純にベンチュリー内にガソリンを出すだけのキャブも多いけど、ガソリンは霧化していた方がよく燃えるためあったほうがパフォーマンスがよい。

こいつが詰まったりすると、すごく調子が悪くなるわけじゃないんだけど、なにか物足りない雰囲気がでたり、くしゃみを連発したりする。

スローエアジェット

これも交換することはできない、ただの穴。
スロージェット上部まで続き、ここを通過した空気はスロージェットとのガソリンと交じり、細い通路を通ってキャブの上までいく。
そのあと更にインマニ方面へといき、スローポートからアイドルポートへとつながっていく。

このスローエアジェット、存在感はそれほどないが超重要な穴で、詰まるとかなり調子が悪くなる。

症状も多種多様で、なんか調子悪いなと思ったらこいつのつまりを疑ってみてもいい。なにせ入口付近にある上に穴が小さく、そのくせ使用頻度が高いため ゴミを吸い込みやすく、つまりやすい部分だ。

メインノズル

続いてメインノズル。ベンチュリー真ん中、真下に陣取りメインジェットとメインエアジェットから計量されたガソリンを吐き出す。
穴もでかいし、通路も短くほとんど詰まることはなく、スロー系にくらべ極めて単純な構造をしているが、ガソリンの大半はここを通過して出てくるまぁキャブの メイン部分といっても過言ではないかな。


ここまでがベンチュリー前半にある穴達。
続いて後部分、上部に開いている主にスロー系の穴達の紹介。こいつらはまさに穴の芸術と思わせる絶妙な位置と複雑な経路、針も通らないような細さを持っている。


中速ポート

中期から採用された穴。
中速系の制御を持たない固定ベンチュリーとは違い、バタフライは中速専用のポートを持っている。この穴がバタフライの最大の特徴といってもいい。

計量するためのジェットを持たず、アクセルの開度に合わせてフロートからガソリンを吸い上げベンチュリーに放出する。

この中速ポート、構造は単純だが経路が非常に長く曲がっているし、出口も手が入りにくい位置にあるため詰まると非常に厄介だ。

ガソリンの入口はフロート室の下側にある穴で、この穴を通してフロート脇を縦に上がっていく。フロートとボディーの継ぎ目を通り、更にキャブ上部へと 続く穴にアクセス、ベンチュリー内にガソリンを吐き出す。図だとこんな感じ。

正面から見たケイヒンバタフライの図。各種エアジェットと中速ポートの通路がこんな感じでつながっている

あんまり正確じゃないけど、中速ポートはこんな感じで上まで穴が通っている。どうやって開けたんだか

ここが詰まるとアクセル開度1/3とか1/4ぐらいでくしゃみってか吹き返しを連発してすこぶる調子が悪くなる。でも場所とこんなところに穴があるわけないって 先入観でついつい見過ごしちゃんだよね。一度詰まると通路の長さと複雑さから貫通させるのは容易ではない。

低速ポート

ベンチュリー内の真上、スロットルバルブのほんの手前にある4つの穴。ひし形に配列されていてアクセルをちょっと開けると一つ目の穴がでてその後次々と 穴が開くってかインマニ側に姿を現していく仕組み。

スロージェットとスローエアジェットで計量されたガソリンと空気はこれまた曲がりくねった通路を通ってキャブ上部にまで到達、この穴から順次出ていく。

ちなみにこのひし形上に配置されているのは固定ベンチュリーすべてに共通している。アクセルが開き始めると穴が一個開き、続いて低速として一番ガソリンが必要 な開度では穴がもう2つ増えトータルで3つ、そのあとのスローの影響が小さくなる開度で更にもう1追加できるってことでこの形状にほぼ固定されているんだうけど、 メーカーも作られた時期も違うのにココだけはみんな一緒ってのは非常に面白いことだと思う。

アイドルミクスチャーポート

最後にアイドルミクスチャー。名前の通りアイドリング時からアクセル開度1/8程度まで仕事をする穴で、低速ポートからそのままつながっており、アイドリング 程度のアクセル開度でスロットルバルブの向こう側、エンジン側インマニ内に出口を持つ。
この穴に細いテーパーニードルがささり、キャブの外からねじを回すことによってニードルが上下し、穴の大きさを可変させてアイドリング時のガソリンの量を調整する。

調子が悪いとここをちょくちょく回す人もいるけど、ほぼアイドリングの時にしか利かない所なんで、いじっても走行が劇的によくなることはないよ。

今回はここまで。次回は全体的なセッティング的?なのを書いてみます。

ケイヒンバタフライ リビルドキット JAMES

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